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プロ経営者のリアル ~非エリートによるプロ経営~

※こちらは2026年1月22日に視聴希望者限定で行われたイベントのアーカイブ記事です。

一般社団法人 日本プロ経営者協会(JPCA)は、日本に多くのプロ経営者が生まれ、活躍するためのエコシステムを創出し、活力あふれる日本をつくることを目指して設立されました。

日本では、年功序列やジョブローテーションの構造上、「経営者になるまでの筋道」や「経営の機会」に若い世代がアクセスしづらいのが現実です。

一方で、超高齢化に伴う事業承継問題は深刻化しており、優良な中小企業ほど、意欲と実行力を備えた”経営人材”を求めています。

JPCAでは、こうしたギャップを埋めるべく、プロ経営者の働き方やキャリアの具体像を、実例とともに発信しています。

今回の連続企画ウェビナー「プロ経営者のリアル」では、2026年1月22日(木)に「プロ経営者のリアル ~非エリートによるプロ経営~」を開催しました。

ゲストとしてお迎えしたのは、株式会社dot 代表取締役の御子柴雅慶氏。楽天で広告営業全国1位の実績を残したのち、海外拠点の立ち上げを経て独立。

さらに投資先企業の代表として事業拡大を牽引し、成長の渦中で意思決定を重ねてきた”現場発の経営者”です。

本ウェビナーでは、御子柴氏の実体験をもとに、経営に関わることになった背景、着任直後に直面した課題、事業拡大フェーズの打ち手、迷いや葛藤、そしてExitを見据えた判断と準備まで「現場から経営へ」のリアルを紹介いたします。御子柴さん、よろしくお願いします。

御子柴 雅慶氏:ありがとうございます。

本日はこのような流れでお話しさせていただければと思います。

目次

自己紹介&SENSEの概要

御子柴 雅慶氏:今回、題目を「非エリート」と入れさせていただいたんですけれども。

一般的にプロ経営者の方って、学歴なら東大・京大。 職歴ならFAS系や戦略コンサル、金融機関出身……そういう方々が多いと聞いていたんです。

でも自分自身は、全く関係ない事業会社1社のみの出身で、創業経営を10年ぐらいやっているタイプの人間だったので。 あえて「非エリート」と入れさせていただきました。

自己紹介なんですけど、御子柴と申します。

2010年に大卒で楽天に入りまして、4年と3カ月で起業しました。

その当時やっていた仕事は、楽天市場のECコンサル営業でした。

出店店舗さんに広告をめっちゃ打って、売上を伸ばしてもらう。 広告ノルマもある、いわゆる「どソルジャー」な仕事だったんですけど。

そこで働きながら「28歳で起業しよう」って決めていたんで、その通り28歳の時に起業しました。

起業してからは、民泊の運営代行をやっていました。 どんどん増やして、400件ぐらいまでいったんですけど。

その時は社員ゼロ。 業務委託などの組織で拡大していく……っていうのをやっていたんですね。

それが後に、今回の「株式会社SENSE」の話につながってくるんですけれども。

SENSEの創業者の方も、私と同じような形(組織づくり)でやっていたんですね。 そこにシンパシーを感じまして。

結果的に、SENSEの代表をやらせていただくことになった……というわけです。

そんな形で、民泊の運営代行をガンガン回していました。 その前はECの代行をやっていたり、マツエクサロンを買収・運営して売却してみたり。

いろいろなことに手を出して、事業会社的なノウハウを学ぶ……そんな「創業経営者」「オーナー経営者」っぽいことをして過ごしていました。

その中で、「やっぱり自社のサービスをしっかり作りたい」という思いが強くなりまして。 自分自身がけっこう漫画好きだったので、当時の共同代表・吉玉と二人で「半年で漫画を5000タイトル読む」という荒業をやりました。 そうして厳選した漫画をキュレーションしたホテル、「MANGA ART HOTEL」を作ったんです。

それでバズって、うまくいったんですけど……。 1年後にちょうどコロナが直撃しまして、会社の売上が98%も下がってしまいました。

もう、とんでもない下落ですよね。 固定費がかさんで「超赤字」になるという、けっこうしんどい経験をしました。

そんな中で、マラトンの小野さんがFacebookで「ファンドを立ち上げる」という話をされていまして。 僕から連絡させていただき、いろいろお話しする中で「美容室の案件がある」と聞いて手を挙げました。

そこから創業経営者の方にお会いしに行く……というところから、今日はお話しさせていただければと思います。

2021年6月:70店舗・社員ゼロのビジネスモデルとの出会い

御子柴 雅慶氏:その時に聞いていた情報なんですけど、株式会社SENSEっていう法人があるということで、出来て6年ぐらいの法人だと。

2021年5月時点の話ですねこれは。

6年ぐらいの法人で、既に日本全国70店舗で、直営の美容室だと。

社員がゼロで、役員一名の本部と230名の業務委託スタイリストがいると。

内容としては、店舗の利益を業務委託側とシェアする構造でビジネスモデルをやっているということと、PLとBSしかなかったんですよ。

そのPLとBSをめちゃくちゃ自分なりに読み込んだ時に、めちゃくちゃ面白そうだなと思ったので、結構準備してオーナーの方と話をしに行きました。

いきなりDDってところなんですけれども、2021年の6月に創業社長のNさんという方とお話しさせていただいて、お一人でここまでの6年間で組織というか、ビジネスモデルをしっかり構築された上で規模を増やされたというところで話をしていた時に、自分自身、美容室の業界経験は全くないんですけれども、美容室っていうのを因数分解していった時に、結局集客が予約プラットフォームであるホットペッパービューティーだろうなと。

あとは箱がたくさんあって、人をいかに教育採用していくかみたいなところはある程度はわかってはいたので、自分自身はその本部少なめで民泊の運営を400件回していくっていうのも、雇用をせずにどうやるかみたいな、そういう話が共通しているかなと思って。

最初は結構その予約プラットフォームをハックして、Webマーケで色々頑張って集客をやればうまくいくのかなと思ったんですけど、実際やってみたらそれは違ったんですが、まずは話を聞きながら自分なりの仮説を持っていったところ、その業務委託オペレーションを回すっていう部分に関しては共通項があり意気投合し、それ以外は美容室の業界のことわからなかったので、素直に聞くっていう形で話を聞いていたところ、結果的に御子柴さんがその後社長をやるならみたいな話になったというような話がここのところ、何かこのあたりって小野さん補足あったりしますでしょうか。

小野俊法:私が今、ファンドの社長をやっておりまして。 この5年ぐらいで、すでに数十件投資しているんですけども。
その中の第1号、1件目の案件でございました。

非常にそれまでかなり伸びそうな形で実際に伸びてきていて、ただ結構経営者さんがいい人いないと更に伸びるの難しいかなとか思いながら経営者さんを探していたというイメージですね。

オーナーさん、サーチファンドにちょっと近めの状況でありまして、オーナーさんが売りたいんだけど、後継者をいい人連れて来れそうだったら売るでもいいけどみたいな話をしてきましたので。

「うちにはプロ経営者協会があるんで、探せますよ」 そんな話をしながら、候補者を探しにいったんですけども。

協会の活動を通じて、御子柴さんのことは以前から知っていましたので。 「ちょうどこういう人がいいんじゃないかな」と。

Webマーケとかも。

今までは、オーナーさんの人間関係で人を集めていたんですけど。 今後はオーナーさんが退任されますので、そこには頼れません。

「何かマーケティング施策が必要だ」となった時に、Webマーケティングが得意そうな御子柴さんが浮かびまして。 まさにマンガホテルで、Webでバーッと話題を作られているのを見ていましたので。

「そういったところが合いそうだな」ということで。

あとはもう一つ。自分で創業されている点ですね。

やっぱり中小企業の経営って、大企業の経営とは「違う競技」と言っていいほど、やることが違います。

数字も財務も見ながら、銀行と取引もしながら、営業も全部やる。 そんな「中小企業の社長」としての経験値を、すでに持っていました。

ただのエリートで、まだその経験がないと……。 どうしても、現場から逃げてしまう人が出てきちゃうんですけど。

「彼なら大丈夫そうだな」と思って、声をかけたというのもあります。

実際、我々の投資ファンドの1件目でして。 もうすでにExitを迎えてはいるんですけども。

実はうちのファンド、平均するとリターンが4、5倍……みたいな感じになっちゃっているところがありまして。

その中では、けっこう苦しんだ案件ではあるんです。

とはいえ、一般的なPEファンドの平均リターンぐらいはきちんと出しました。 苦しい中でもやりきっていただいた。 非常に感謝している……という形でございます。

御子柴 雅慶氏:ありがとうございます。

2021年8月:着任直後の60名オーナー全員面談とトリアージ

御子柴 雅慶氏:そうした流れの中で、創業者の方とお話しさせていただきまして。

先ほど小野さんのお話にもあったんですけれども。 Webマーケティングというか……。 分かりやすい「やっていない余白」の部分が、結構あったんですね

その創業者の方は、すごい「選択と集中」で。 もう店舗出店、店舗出店……と、非常に合理的な考えで経営されてきたんですけれども。

一方で、ブランディングや採用教育の改善。 そして、分かりやすい新規集客のWebマーケティング。

そういった部分は、まだ手つかずの「余白」でした。 その「余白の可能性」について言及したことが、結構刺さったのかなと思います。

結果的に「実際にやっていこう」となり、ビジネスデューデリなどを進める中で。

その創業者の方が、よく「センターピン」という言葉を言われる方だったんです。 僕もそのあと、「センターピン」って言葉がめっちゃ好きになったんですけど。

いわゆるKGI、本当に目指すべき指標ですね。

一般的にプロ経営では、最終的に「売却」があることを考えると。 短期間で営業利益もとい、「EBITDA」を最大化させる。

もっとちゃんと言うと、多分フリーキャッシュフローの最大化だとは思うんですけども、それを目指す上でのKPIとなるものが何かっていう話になると、やっぱり店舗ビジネスの場合は基本的には店舗数にはなるとは思うんですが、この店舗数を増やすっていうのがわかりやすい。

異業種の方へ説明する、もしくは銀行さんに説明する上では非常にわかりやすい指標なんですけども、本質的に行くと、この店舗を構成するのは人なので、その人の中でもどんな人っていうHOWとかWHYとか、いわゆる要件定義ですね。

そういった部分で考えていくとあんまり数字は言えないんですけれども、〇〇万円以上を一人で売り上げる、かつ〇〇人以上指名数がいる美容師さんの数みたいなのが本当のKPIになってくるなってとこで、それを追いながら店舗数を他の業界の方に説明するための店舗数も着実に増やしていくっていうのがセンターピンだなってとこをまず策定していったっていうのがこのビジネスデューデリのところで、この後、実際着任したのがちょうど2021年の8月末ぐらいなんですけれども、ここからまずどうしていくかっていう中で、まず着任後、一般的にPMIと言われる部分だと思うんですけども、自分としては美容業界の知識は全くありません。

ただ、美容業界を抽象化して考えた場合に、箱モノビジネスはホテルで経験がある、民泊でも経験があります。

そこの良いエッセンスを、既にオーナーをやられている皆様の知見と合わせていくことで、更に可能性を追求できるんじゃないかっていうスタンスで参画、着任させていただきましたので、まずは60名オーナーさんがいらっしゃったので、この60名のオーナーさんに全員に会いに行きました。

で、会いに行った時にすごい重要視していたのが、そもそも代表取締役を変更したという立場なので、重要な一次情報っていうのはヒアリングしやすい状態ではあるんですね。

ヒアリングがしやすいんですけれども、ここのヒアリングをミスると全部終わると思っておりまして、ヒアリングの際に、ちょっとトリアージってちょっとあまりよろしくない言葉を書かせていただいたんですが、短期間でEBITDAを最大化するという前提を考えた上でのトリアージという意味でいきますと、結局どこにどれだけの資本とか労力を投下するかっていう意思決定を、この最初の60人とタイミングでもうほぼほぼしました。

で、結局やっぱりニッパチの法則じゃないですけれども、60名の方全て均等に正しく労力や資本を投下するってことは、本当に合理性に欠ける行為になってくるので、やはり至上命題のセンターピンを考えた時に、それはするべきではないということで、まずお話を一人2、3時間ぐらいさせていただきました。

基本的に皆さんオーナーの美容師さんで、オーナー、美容師さんに完全に集中している方もいらっしゃれば、オーナー兼スタイリストのプレイングマネージャーみたいな形でしっかりもう何百万も売り上げながらオーナー業もされている方もたくさんいらっしゃったので、やはり一時間頂く行為ってのはすごい申し訳ないなっていうのは前提あったので、もうかなり準備していきました。

基本的に二行目にも書かせていただいているんですけども、全てのオーナーさんから宿題をもらい、その宿題を返すっていう行為を繰り返すことで、信頼関係であるラポールを構築していこうってのは、これはすごい重要視してやりました。

結構最初に宿題をもらってという動きをやっていたので、最初の三ヶ月ぐらいは本当に8時から23時ぐらいまでは結構働いていたんじゃないかなと思います。

でも本当に情報をもらって、それを返してやる。

この三ヶ月の間にかなり美容師業界の知見が入ったんですけれども、それはやっぱり代表取締役っていう立場なので、皆さんも可能性を良くしていこうっていうスタンスで対話をさせて頂ければ、すごい情報を教えていただけたというこの構造上の仕組みですね。

代取であり、かつ熱意があるっていう前提があると、本当に素晴らしい意見をたくさんいただいて、それをもとに下に書かせていただいたんですが、戦略立案をしていくっていう流れを、これはもうやる前から絶対にやろうと思っていたんですけど、しっかり三ヶ月間やり切ったっていうのがまず最初の焦点になります。

まさに余白の部分とかもですね、提案すると喜ばれるんですけど、もちろん一次情報だけで判断するわけではなく、一次情報の期待と実際に可能性がどうかっていう部分だったり、やはり一年間で使えるフリーキャッシュフローって本当に限られておりますので、ここがちょっと創業経営と違うんですよね。

創業経営の時はもう限界までいくんですよね。

本当に預金残高四桁行ったことも結構あるんですけど、結構そういうちょっとクレイジーな人がやっぱり創業経営者は多いと思うので、結構限界までいって、本当に何とか資金繰り何とかするみたいなことができるんですけれども、それは非常にリスクですし、リスクマネー自分ではないのでそれはできないっていう中で、しっかりと数字に落とし込みながら、そこは管理をしながら進めていくってことは重視していました。

2022年:社員ゼロからの組織づくりと営業部長としての店舗拡大

着任した後の事業拡大加速ということで、三ヶ月ぐらいやって、後の2022年になったぐらいですね。

着任から半年ぐらいのタイミングで、「本部の組織をしっかり作ろう」と動き出しました。

やはり売却が前提である以上、社員ゼロの組織は非常に売りづらい。

ここ3、4年、スモールビジネスを作って即売却する流れが流行っていますよね。 20代の若い子が、めちゃめちゃそれをやっているイメージもありますが……。

今回はそうではなく、「しっかりとした組織」にしなければいけません。 これはセンターピンとは別の「至上命題」として自分の中にあったので、少しずつ着手していました。

ただ、スライドにも書いた通りで いわゆる「優秀な人材」というものは、もう中小企業に来るはずがないんですね。

150%ぐらい来ないと思うんですけど、絶対来ないと思います。

これも優秀な定義によるんですけれども、ここで言っている優秀っていう定義は、いわゆるCXOなことができて、リーダーシップがある程度取れて、事業を推進できてみたいな人は来ないと思います。

「優秀」の定義というのは、業界・業種によっても。 もちろん年齢層によっても、異なる部分があると思うんですけれども。

僕は最初、採用で結構大変な思いをしました。

結構そこそこ中小企業にしては金額を払ったにも関わらず、びっくりするぐらい成果が上がらない。

それはもちろん、こちらの問題なんですけど。 フェーズに応じて適した人を入れて、教育もしっかりしなきゃ、成果が上がるわけがありません。

ここがですね……。 僕は新卒で4年と3ヶ月、楽天を経験しました。

やっぱり楽天に新卒で入ってくる人間たちは、基本「普通に優秀な人材」しかいない。 ……ってこともないか(笑)。 まあ、定義にもよりますが、6割ぐらいは優秀だったと思うんです。

楽天みたいな組織だと、毎年新卒が300人とか400人入ってきます。 上下関係もしっかりできているんで、マネジメントをめちゃくちゃしやすいんですよね。

追っている指標もわかりやすいんで、優秀な人も生まれやすいし。 教育もしっかりされます。

でも、こういうところにいるような人材は……。 基本的には採用できないんじゃないかな、と個人的には思っています。

そんな中で、採用面接も30人、40人と……。 すごいいっぱいやっていったんですけど、「厳しいな」と思って。

その時に……これは「SENSE」ではなく、僕の創業法人の話になるんですけど。 創業法人の場合は、「ミッションドリブン」な人材を基本採っていたんですよ。

ビジョンドリブン、ミッションドリブンって言われる、いわゆる事業を立ち上げた理由に対して共感してくれる、旗を立てたものに対して共感してくれる方っていうのを採用していたので、非常にやりやすかったんですけれども、プロ経営の場合は、やっぱり自分自身が一代目創業者ではないので、この旗をいただいて、その旗をバトンのようにパスしていく流れになってくるかと思うので、ミッションドリブンな人を採用するのは非常に難しいなというのはこの採用の時に本当に痛感しました。

なので多分ご質問にもあったかなと思うんですけれども、採用はほぼ無理だと思っておりまして、もう教育するしかないっていうのが答えかなと個人的には思っています。

そんな中で、創業から結局4、5ヶ月ぐらいのタイミングで。 のちに売却時のキーマンとなる、ある女性を採用できました。

その方は、今もまだ売却先の法人で、すごいしっかり活躍されているんですけど……。

この方、そもそも「総合職」でもなかったんですよね。

総合職を初めてSENSEで経験したっていう方でした。

なので、いわゆる「CXO」的な人もいるわけがないし。 「メガベンチャーを経験しました」みたいな人も、いるわけがない。

そんな中で「今いる人材」でどう組織を作り、戦っていくか。 結局は、そういう話になってくると思います。

ちょっと長くなってしまったんですが、メンタル強度を耐えられる責任範囲にして渡しOJT、何かよくわからんこと書いてあるんですけど、基本的にある程度優秀ではなかったとしても、メンタル強度があり、かつ一番重要なのは好奇心の総量だと思うんですね。

好奇心の総量が高い人っていうのは基本的に非常に確度高く成長していくので、そういう人達をOJTで教えていく、教育していくっていうのは結構やりました。

最初にキーマンになった子は、総合職すら経験していない中で、営業なんて私はできるわけがないって言っていたんですけど、普通に最後の方は営業していましたし、マネージメントもしっかりしていただいて、もう活躍されています。

2023年:売却準備と「歪み」への対応

ちょっと話長くなってしまったんですが、店舗展開の加速っていうところですね。

このあたりで、「ド新規」のWebマーケティングでオーナーを獲得しようとしても、 結構難易度の高い営業だったので。

やるとなると、もう自分しかいないんですね。

なので自分が営業して取りました。営業部長みたいな感じになっていました。

経営者でありながら営業部長みたいな感じで、もう普通に新幹線で出張して、もうコメダ珈琲でクロージングしたりとかしていたんで。

だから、そういう感じで「ド新規」で美容師さんを獲得していった……という形でも、オーナーを増やしていきました。

「獲得」って言うと、ちょっとおかしいですけども(笑)。

傘下に入っていただいたオーナーさんに、他のオーナーさんと店舗を出していただいたり。 そんな形で、もうすごい泥臭く足を使って。 「営業部長」みたいな感じで、頑張っていました。

あとは、業界の勉強も常にしていかないといけなかったので。 いろんなところに顔を出させていただいて。

取材していただいたり、業界の若手の方々ともお話しさせていただいたり。

やっぱり「代表取締役」というポジションを利用して。 しっかり自分自身が価値を提供すれば、相手からも価値を提供していただけますので。

「業界の勉強」というのは、普通に酸素を吸うようにやっていました。 それが、2022年頃の話ですね。

で、2023年がですね、もう早くも二年経つので、もうExitを見据えてIM作成していくっていうところになってくるんですね。

で、そうなると、今度は組織を自走化させなくてはいけないので、自分がもうやっていちゃダメなんですよね。

このタイミングからもう営業一切自分やってないです。

もう自分がやっていたことは、現場のメンバーで全員できるようにならなきゃいけないってことで、どんどんどんどん手放していきました。

で、基本的に週一ミーティングとトラブルシューティングが自分の仕事になってきたので、この時はもうキーマンの子がもうぶんまわしてくれる状態にはなっていました。

でもこのタイミングでもやっぱり作った組織の人、抜けていたりするんですよね、これ結構しんどかったですね。

他にも色々問題が出てきまして、店舗出店の店舗数がKPIなら店舗数を増やせればいいんですけど、当たり前ですけど、いきなりステーキさんとかもなんか確か500店舗ぐらいまでガーッといって、何かいろいろ難しいみたいな、いろいろあったと思うんですけれども、何か1店舗あたりの収益性、つまりSAASでいうところのユニットエコノミクスみたいなものが絶対悪化するんですよね。

この悪化した時の対応をどうするかっていう部分で、結構トラブルシューティングが発生して大変でした。

具体的なことを申し上げると、多分僕が入ってから40何店舗増やしたんですけど、多分20店舗ぐらい廃店にしているんですよね。

「廃店した方が経済合理性がある」 もちろん、そう判断したからです。

それは、短期的なEBITDAを作るためではなく 将来のEBITDAが上がるからこそ、スクラップ&ビルドを行う。

そういう理由で、廃店しています。

当然なんですけど。 短期的なEBITDAや営業利益、フリーキャッシュフローの最大化ではなくて。

「将来のフリーキャッシュフロー」を最大化するために、今、構造を作る。 それが、「プロ経営者」の仕事だと思っています。

ですので、そこを優先してやっている、という感じです。

そんな中で、「しんどかったこと・その2」です。

スライドに「競合サービスがエクイティで爆進」と書いたんですけど。 これ、どういうことかと言うと、そもそも美容室業界って、非常に「中小企業」が多い業界なんですよ。

年間2兆円のGMS流通に対して50万人の美容師さんが従事していて、25万店舗ぐらい店舗があるっていうのが大体の市場規模なんですけれども、ここで25万店舗っていう数字からわかるように、コンビニの何か4、5倍あるじゃないですか。

すごい数が多くて、スモールビジネスが結構容易く起業しやすいっていうところもあってですね。

非常に中小企業な業界というか、スモビジ業界なんですね。

スモールビジネスに強い業界、基本的にそのコスト、自分っていう考え方でいった時に、美容師業界って大体もう売上の半分ぐらい人件費でかかるような業界なので、その人件費俺っていうことができれば、スモールビジネスって非常に回りやすいと思うんですよ。

で、かかる固定費もホットペッパー使わなくても回るようなこともできるので、非常に中小企業市場なんですね。

ここに関して、スタートアップバブル中、ウクライナショックの2021年冬か22年冬ぐらいまで、多分結構調達容易くて、スタートアップバブルが起きていると思うんですよ。

バリュエーション200億の企業が今20億になったみたいなところいっぱいあると思うんですけど、スタートアップでも本当にそれが起きていたので、もう数10億調達したお金を中小企業しか本来存在しなかった生態系の中で、その数10億をマーケティングコストにすごく使ったんですよ。

基本的にスタートアップってマーケティングコストと広告費にぶっ込むってのは基本だと思うんですけれども、それでいった時に、やっぱり人材獲得競争の中で、その数10億を何社もが突っ込んでいったんですね。

売上の5割ぐらい給料を払うっていうところから、売上の8割ぐらい給料を払いますよみたいなマーケティングコストのぶっ込み方をしてきたので、エクイティの市場が中小企業市場に入ってきたというのは、これがもうすごいきつかったですね。

ただ、これも実は対抗策があって、スタートアップ市場って結局、LPさんのお金に対して早めにIRRバーッて高めて売却とかMAとかする市場なので、結構短期的に数字を出さなきゃいけないんですよね。

なので短期的な戦闘に対して、こっちとしては長期的な戦い方を仕掛けるっていうところで、あくまでマーケティングコストを使って売上の8割とかもらえても、それって自分自身が不労収益を得るオーナーにはならないよねっていうロジックがこちらにあったので、あくまでもオーナー目線の経営者を増やすようなSENSEのビジネスモデルは短期的には違うかもしれないけど、本当に事実で考えた時は長期的には非常に強いモデルだよって。

それをすごい説くことで、相対的にサービスの価値説明、これをしっかりすることでなんとか頑張ったみたいな感じです。

小野俊法:当初、冒頭に言ったこの会社さんは結構苦しんだ。 我々のファンドのリターンの中では結構下、一番下ぐらいのリターンであるんですけども。

ただ、そういう強烈なエクイティを突っ込んだライバルが、何かある意味「ダンピング」してライバルを消してから、何か多分利益を取って……みたいな人達を相手に。

何とか戦ってくれたって感じですかね。

あと2023年に売却準備し始めたのも、やはり売却を見据えた上で経営していかないと、何かこう、私の経営もそうですけど、こういう目標があったら、それをこう逆算して作っていくと将来が見えてやり易くなる、軌道修正とかしやすくなるので、そういう段階に入っていったという形です。

2024:Exit目前の苦労

御子柴 雅慶氏:ありがとうございます。

そのような中で、2023年が終わりまして。 2024年になってですね、トップ面談とかも始まりだしたんですけど。

やはり、「キーマン」がいなくなってしまうと、組織がゼロに戻ってしまう。 ……っていうのが、すごい恐ろしいところでして。

ここも結構営業力なんですけど、キーマンのキャリアを握るっていうのが本当に大事だったなと思っています。

どんどんキーマンの方のモチベが高くなって、将来のキャップが外れてどんどん上を目指すようになっていったので、それができたことというか。

あと彼女自身の元々の資質とか能力が高かったっていうこともあってですね、なんとかモチベーションを管理できたっていう部分と、あとトップ面談時に、異業種の方のビジネスモデルの説明がすごい難しかったですね。

同業者の方だと、話は割としやすかったんですけど。 これが「異業種」の方になると……。

そもそも「箱モノ(店舗ビジネス)」をやったことがない、とか。 「これは人にかなり依存するモデルだ」とか、どうだこうだと。 買い手側の創業者の方にも、色々な考えがありますので。

いきなりトップではなく、その手前の役員の方に話して。 そこから間接的に情報が上に上がって、会議にかけられたり……。

そういった中で、結構複雑なビジネスモデルを異業種の方に説明するのは、「コミュニケーションコスト」が非常に高いな、と。 それは、経験として感じたところではありました。

2025年:半年間の交渉を経た売却完了

最終的に、同業種の「AB&Company」さんへの売却という形で。 半年間ですね、こう色々と話を進めていく中で……。

やっぱり、社員のキーマン以外にも、メンバー各人の自己実現をちゃんと達成する。 そういう仕組みを作っていかないと、人が抜けてしまう。

でも、「本当に買っていただけるかもわからない」という不安な中で。

なんとかやりくりしながら、もう何度もこう、面と向かって話をしてめっちゃ泣くみたいな。
最後は、何かそういう情緒的な場面がすごく多かったんですけど。 なんとか、Exitまでたどり着くことができました。

ありがとうございました。 ……というような話でございます。

プロ経営者のリアル:必須なのは「営業力」

最後、ちょっと簡単なまとめなんですけれども、個人的にはですね、自分自身があまりにもそういう何かこう賢いスキルとか、そういったものが一切ないんですけど、営業は割と自信がありまして、営業力っていうのは基本的に採用にもマネジメントにも交渉にも効くので、自分自身はSENSEの経営において、自分自身の攻撃力である営業力を防御にかなり使ったのかなっていうような感覚でいます。

やっぱり創業法人のようにクレイジーな攻め方はできない中で、フリーキャッシュフローのある一定水準の中で、どう投資配分を決め、経営していくかっていうところはもちろんあるんですけれども、一番レバレッジが効くのはやっぱり個人の社長の力なので。

これがアーティスト的な人だったら、クリエイティビティにレバレッジかけるのが一番ROI高いと思うんですけど、自分自身、別にアーティストではなくて、普通の強みで言ったら営業系なので、営業力にレバレッジかけるっていうところで、その営業力を結構ディフェンスに使ったかなっていう感覚です。

キーマンの採用維持だったり、マネジメントだったりみたいなところですね。

そういったところで営業力が活きたかなという部分と、やっぱり中小企業の経営なので、優秀な人がポンときてポンと活躍するってことは100%ないと思うので、社長自身がリベロ的にある程度全部できなきゃいけないっていう中で、やっぱり営業力がレバレッジ効いたなっていうのが4年間も経営させていただいた感想になります。

はい。という形で一旦終わらせていただき、Q&Aにお答えさせていただければと思います。ご清聴ありがとうございました。

堀江大介:御子柴さん、ありがとうございました。

Q&A

堀江

じゃあ、先にちょっといただいた質問からいきたいと思いますので、画面を共有させていただきます。
ゼロイチの企業と比較した場合の人生にとってのプロコンということですが、ゼロイチの企業と比較してプロ経営者は良いとか悪いとかということだと思いますが、いかがでしょうか?

そうですね。

創業法人はプロ経営者ってやっぱり自由とリスクのトレードオフ感がどっちかっていうのがやはり一番でかいかなと思います。

それこそ創業法人はですね、ホテル民泊でやっていた頃から、オリジナルの自社ブランドのホテルをやったり、スムージーを開発して、売れなくて失敗して減損出したり、結婚相談所を始めたり、オンラインコーチングとか始めたりとか、今色々また違うこともやろうとしているんですけど、めちゃくちゃ自由ですね。

その分連帯保証のデットがいっぱいあるとか、何かそういう部分がリスクとしてはあるかなっていう部分ですね。

プロ経営者の場合はやっぱり非常にリスクがないかなと感じておりまして、ファンドさんが完全にリスクを背負っている中で、もちろん善管注意義務違反的な、経営者としてやっちゃいけないことをやるっていうのはダメですけど、そういうのは基本考えないとしたらリスク基本ないんですよね。

その中でプロ経営者の立場にいさせていただけるっていうのは、これはもう非常に経験から得るものが多いっていうすいません、すごい陳腐すぎる回答になってしまったんですけれども。

小野俊法:経済的なところで言うと、よくミドルリスクミドルリターン、サラリーマンが低リスク低リターンだと仮にすると、ミドルリスクミドルリターンでプロ経営者だとやはりストックオプションのところで10億円ぐらいを得た知り合いも近くにいますし、なかなか起業して10億円というのも難しいのに、プロ経営者で連帯保証とかのリスクも一切ない中で、二桁億ぐらいを得られる可能性がある職業ということで、ミドルリスクミドルリターンと言えるんじゃないかなと。

個人保証で破産する可能性はゼロなのに、アップサイドはもう起業家並みに入る人も中にはいるので、そういう意味でミドルリスクミドルリターンというところもあるかなと思いますね。

堀江

次いきます。組織づくりと店舗拡大についての御子柴さんなりのノウハウというか、やる中で見えてきた勝ち筋って何かありませんか?

御子柴 雅慶氏:そうですねSENSEの組織づくりというよりは、何かどうしても創業法人の組織づくりの話をしてしまいそうになるんですけど、そっちは結局ビジョンドリブンなので、やっぱ違うんですよね。

なのでビジョンドリブンでない組織づくりっていう話になると、どっちかっていうとこれは業務委託とかの外部のプロとの連動が重要になってくるかなと思います。結構コンサルとかも依頼しました。

美容室系のコンサルの方とか何名か依頼しても全然微妙な方もいれば、何か金額に合わないぐらいびっくりするぐらいリターンがある方もいたりとか、それはもちろんその方の能力というよりも、こちらの受け皿の問題ではあると思うんですけれども、結構外部のプロに頼りました。

それがミッションドリブンでない組織の場合は非常に重要になるかなというところと、店舗拡大のノウハウはですね、これは結局、店舗の拡大の余地があるかっていうことと、ユニットエコノミクス次第だとは思うんですね。

その店舗あたり、ユニットエコノミクスがいけるならもちろんガンガン行けばいいんですけど、それは短期的に短期の店舗のPLで見るのではなくて、集合体のPLで見ないと全く意味がないと思います。

人がいなくなったら落ちるとか、逆に何て言うんですか、ドミナント戦略みたいに近くに何店舗かやることで人の行き来ができる構造を作ってやると全体のPL良くなるとか、それは事業モデルによっても異なるとは思うんですけど、美容室業界は先程も申し上げたように25万店舗ある中で、上位の店舗を、例えばAB&Companyさんで1100店舗ぐらいあるんですけど、それでもやはり0.3%のシェアしかないんですよね。

結構自分自身、ランチェスター戦略のシェアの理論が好きなので、よく参考にするんですけれども、それでいった時に価格決定権がある影響力ってやっぱ26、7%とかそういう数値があるんですけど、もう程遠いぐらいその物凄い強いマーケットリーダー的な人、マーケットリーダーがある意味存在しないのか、上位店舗さんとか、本当に売上何百億上げられた上場企業さんはいらっしゃるんですけど、マーケットリーダーという意味で、シェアの影響力があるところまでいっている店舗さんとか会社さんというのは、実はいない業界なんですよね。

そうなってくると、何店舗までできるかとかそういう話になってきますし、ホテルだったら立地が大事で、どっちかというと資本の勝負になるので、いくらデッドひけるかとかそういう話になってくるので、店舗拡大のノウハウという意味でいきますと、業界、業種によって全然違うかなというところなんですけど、ユニットエコノミクスを重視しながら、店舗単位のPLではなくて、全体のPL把握しながらやるみたいな、そういう話になってくるかなと思います。

堀江

市場規模どのくらいあるんですか、このビジネスは。一兆くらいですか。

御子柴 雅慶氏:二兆ですね。

堀江

結構でかいですね。

御子柴 雅慶氏:25万店舗、50万人、2兆円っていうのがすごい分かりやすくてざっくり覚えているんですけど。

堀江

人材紹介が8,000億とかなんですよ。二兆って結構一個ずつ小さいけどすごい量があるってことですね。

御子柴 雅慶氏:そうですね。

やはり髪の毛は生えるので、それこそ免許持ってない人に切ってもらうのは非常にリスクがあると思うので、プロに切ってもらうべきだと思うんですね。

ただ、ホテルとかの場合だと友達の家に泊まるって行為ができるので、ゼロ円が生まれる、じゃないけど、そこにやっぱり大きな価値があると思います。

堀江

代替できないですね。ありがとうございます。

では次、中小企業は大企業と比べて優秀な人材が採用困難だと、まさにそういう話があったと思いますと、企業のコアとなる人材採用制度ないし育成で工夫されている点がありますか?

これさっき言っていたかもしれませんが、補足あればお願いします。

御子柴 雅慶氏:先ほど申し上げた部分かなと思うんですけれども、好奇心の総量が高い人を採用するしかなくて。優秀ないわゆる優秀な人は絶対来ないっていう前提に立った方がいいかなとは思います。

堀江

好奇心ですね。

御子柴 雅慶氏:そうですね。

中小企業でももちろんミッションドリブンな企業とかがあって、もちろんそのミッションドリブンを引き継げる創業者の方だったら多分採用は全然話が変わってくるとは思うんですけれども、そういう話は少ないかなと個人的に思ったので、先程そのようにお話をさせていただきました。

堀江

ありがとうございます。

次、ご自身が経営されている会社と投資先の工数配分についてということなんですけど。

小野俊法:実は背景としては御子柴さんとも最初からオーナーさんともお話をして、御子柴さんはですね、一応今回二人で入っていただいたんですね、セットで。その代わり年収はこのぐらいを想定しているけども、半分払いました。

一方で半分は他の仕事をしてもいいですよって、特殊でこの案件以外では過去ないんですけども、二人で入る代わりに一人当たり50%ずつ工数を使ってくださいというお話をして入っていただいたので、この方はどうなったか分かんないけど、それをご存知の方ということで、何かですかね、はい。

御子柴 雅慶氏:補足ありがとうございます。

そうですね、僕の元々法人創業経営者で、もう一人吉玉って人間がいて、吉玉と二人でやっていました。

創業法人もSENSEも吉玉と二人でやっていたので、その中での工数配分でいきますと最初SENSEがほぼ95%ぐらいだったと思います。

特に最初のDD後の立ち上げのタイミングとかもほぼ本当に集中してやっていたんですけど、Exit直前はですね、先ほど書いたように週1のミーティングとトラブルシューティングですね。

そこで手を離さないといけなかったので、自分がそこで介入すると組織も育たないですし、それこそ自分が属人性があるということで売却ができなくなってしまうので、そこは意図的に離れました。

堀江

ありがとうございます。

事前にいただいたもの、これで以上になりますので、今いただいているものに移りたいと思います。

女性の採用の話ですが、その女性を採用すると決めた要因を知りたいです。どこに磨けば光る人だと感じたのですか?

御子柴 雅慶氏:実は色々な採用媒体で採用活動をしたのと別で、僕の友人の元秘書みたいなことを契約社員でやっていたという話を聞いて、飲み会の時に呼ばれたんですよね。

ちょっと喋って、その後まさか興味があるという話があって採用したという話なので、実はルートが友人経由なんですよね、キーマンになった女性は。

ただ、どこが違うかっていう話で行くと、好奇心の総量が極めて高かったんですよね。

趣味もフルマックス100%みたいな形で、趣味の話もこれがこうでこうでって喋れて言語化できるんですよ。

趣味をただ何となく受け身でやっているんじゃなくて、趣味を主体的にやって言語化できるんですよ。

で、そのプロセスをできる時点で好奇心の総量が高いなと。やっぱり好奇心の総量が高い人というのは最高です。そういう人と働きたいなって本当に思います。

堀江

そうしたら、伸びるとかですね。

御子柴 雅慶氏:絶対に伸びますね。

堀江

その好奇心の総量は多いが欠けるこういう要素あったらやめた方がいいとかありますか。

御子柴 雅慶氏:人間は色々あるので。

そうですね、いわゆる人を攻撃するみたいな。「マキャベリズム」「ナルシズム」「サイコパス」 この3つの要素を掛け合わせた人のことを、「ダークトライアード」と言うらしいです。

堀江

すごい言葉ですね。

御子柴 雅慶氏:そういう人って結構優秀で出世もするって言われているので、そういう人が組織に入ると本当にまずいことになるっていうのを、これ結構界隈では有名なんですけど。

小野俊法:何か私も同じようなことがあってですね、ちょっと某会社の話で、その個人はすごい優秀なんですけども、その人が入ることによって、要は下をこう腐らせながら自分だけ上がっていくみたいなやり方をする人がいたりするんで、そういう人が入っちゃうと、多分組織が成長するのが止まってしまうなって、その会社さんは結構ある意味止まっちゃったりしてですね。要は社長からするとその人、数字は個人で上げているんで離せなくなっちゃうんですよね。で、その人たちがこうで、そういう人が大手を振るって歩くようになるような組織にしてしまうと、組織が伸びなくなるなと。私はいろんな会社を見て思っていることですかね。

堀江

面接で気づけますか。結構出ていますか。

小野俊法:気付けないと思うんです。そういう人が上がれないような仕組みにしていくとか、評価制度にするってのがコツと私は思っていますけど。

堀江

面接では完全に弾けないけども、引いちゃったらちゃんとその人が偉くなれない仕組みとか何か入れてもらったら。

小野俊法:難しいんですけど、その人がめっちゃ稼ぐんで、社長としてはこいつに離れられると数字が上がらなくなるなって思うとなかなか難しいんですけど。

堀江

組織化して大きくしたいなら勇気出してやるしかないですね。わかりました。では次は営業力が大事だというお話がありましたが、特に営業の中でもレバレッジが効いた要素はありますか?提案力、クロージング力などということです。

御子柴 雅慶氏:これ創業法人の方だったら、多分提案力とかクロージングとか、そっちのいわゆる営業力だと思うんですけど、今回SENSEの場合だと、これをディフェンスに使ったって話なので、どちらかというと採用維持、離職防止みたいな部分ができたかなと思います。これはオーナーさんに対してもそうですね。オーナーさんに対しても交渉して、SENSEを辞めずに出店をむしろしてもらうみたいな方向に対しての働きかけの時に使えたので、何か攻撃っていうよりも、何か攻撃を何かディフェンスに使っているような感じの感覚でしたね。

堀江

最初のフェーズで60人のオーナーとの面談をされたとのことですが、特にどんな準備をしましたか?事業拡大に向けて投資の意思決定、何を重点的な評価項目として投資プライオリティ、事業拡大に向けた投資の意思決定にあたって、何を重点の評価項目として投資案件のプライオリティを付けたのでしょうか?ということです。

御子柴 雅慶氏:ありがとうございます。美容室業界、完全にヒトモノカネでいうとヒト99%のビジネスなんですね。やっぱり人をどう理解して、どう人に頑張ってもらい、イケてる人を採用し、イケてる人を教育し、みたいな、そういう話になってくるんですけど、業務委託なので、あまり僕らから教育なんてそんなおこがましいことはですね、美容師さんみたいに僕はハサミも握れないですし、全然切れないし、全然技術もない人間なので、それができないっていう構造がまずそもそも前提としてありました。

そんな中でどんな準備したかっていうことなんですけど、2つ大きく分けてありまして、1つ目がその人となりの未来の可能性を探る質問系で、2つ目が店舗出店のために店舗出店をしない理由を潰すための質問をしました。

これどういうことかというと、まず一個目はやっぱりその人自身のパーソナルな部分を知ってラポールを形成するっていうわかりやすい目的がありつつ、その人のキャラによってどう提案を今後していくべきかっていうのを知るためだったので、そういう質問をしつつ、かつ死ぬまでに何にしたいかみたいなのは絶対質問しました。

死ぬまでに何したいか、ライフに関する質問をすることで、その美容師さん、オーナーさんとしての生き方って、やっぱり自由を求めてする生き方、自由が好きでオーナーさんになる方も結構多いですし、職人さんみたいな方もすごく多いので、その人のライフを知りたかったんですね。

その人の人生をある意味変な話握るわけじゃないんですけど、ライフの方向性を知ってしまえば、その人はこういう風に生きたい人で、沖縄の離島で店舗を出してのびのびやりたい人とか、5店舗ぐらいで仲間内でやりたいとか、そういう夢を聞くことで、そっちの方向にSENSEを利用してほしいっていう、そういう話がしたかったので。

SENSEはあくまで仕組みだから、そのSENSEって仕組みを利用していただくために、あなたのライフを逆算するとこの方がいいですよみたいな。

何かライフプランナーじゃないですけど、何かそういう感じの話をするための質問をしたっていうのが、まず一つ目の大きなところですね。

二つ目の部分が店舗拡大のやらない理由。

自分自身の営業の仕方なんですけど、基本的にやらない理由を全部潰せばやるっていうのが基本の考えなんですよ。

なぜ二店舗目を出さないかっていう理由を全部潰すんですよ。

売上がいくら以上のスタイリストがいたらやるよっていうところまで出せたら、売上いくら以上のスタイリストを用意したら、その方は出店するじゃないですか。だったりですとか、このエリアに物件がないからだったら物件を持っていたら、その方は出店すると思うんです。

そんな感じでも、人によっていろんな解像度のいろいろな多種多様なやらない理由があるんですけども、そのやらない理由をなくして店舗を出店していただいた方が、その方自身もハッピーになるはずだという仮説をもとに質問項目を用意しました。

堀江

まさに営業力を発揮した事例ですね。
はい、ありがとうございます。

あと、外部のコンサルに発注されたとお話されましたが、具体的に何を依頼されたんでしょうかという質問です。

御子柴 雅慶氏:これも色々ですね。

ヒトモノカネのヒトが一番重要っていうお話を先ほどさせていただいたんですけれども、ヒトを教育していく機関とか求人する機関というので、アカデミーっていう期間がざっくりあったんですね。

もともと、創業者の方が作ってくださったものはあったのですが。 当時はまだ、そこに十分な資本を投入できてはいませんでした。

そのため、立ち上げ支援としてコンサルの方に依頼したり。

美容業界の全体像を把握するためや、ショート動画・SNS運用の専門家など……。 色々な方に関わっていただいたのですが。

その中でも、最終的に「教育機関の立ち上げ」経験がある方とは、その後もずっとご一緒させていただきました。

SENSEに対して非常に大きな影響力を発揮していただき、人脈も紹介していただいたりと。 本当に助けていただきましたし、勉強させていただきました。

堀江

ありがとうございます。

この案件に参画時、お二人で業務を分けられたということですが、どういう風に分けたんでしょうかという質問です。

御子柴 雅慶氏:どちらかというと自分が攻撃で吉玉が防御みたいなざっくりだったんですけれども、バックオフィス系が多かったですね。

経理業務とかもやっぱり300人ぐらいスタイリストさんがいて、給与の支払い方とか支払いサイトとかも結構複雑な状態だったのもありますし。

インボイスが始まることがもう確定していたので、結構そこが難しいなというのがあったので、そこはちょっとディフェンスが自分自身めちゃくちゃ弱いので、そこは吉玉っていう共同代表の人間と、もうちょっと今一緒にやってはないんですけども、やってもらったって感じで、攻撃と防御で分けました。

堀江

ありがとうございます。

プロ経営者という仕事はストレスやプレッシャーがかなり大きいと思いますが、メンタルヘルス維持のためにやられていたことありますか?

御子柴 雅慶氏:キックボクシングやっていました。

結構キックボクシングで、当時多分二回ぐらい骨を折ったんですけど、やはりそっちの方が痛い。

そっちの方が痛いって言うのも変なんですけど、ものすごい苦しいんですね。格闘技って。

本当に苦しくて痛いんですけど、瞬間的に刹那的に痛いんですけど、経営の場合はじわじわ痛い系だと思うんですよ。

なのでバランスとっていました。

短期的な苦しみと長期的な苦しみをやって、何かもうキックボクシングがきついから大丈夫だみたいな、そんな感じで頑張りました。

堀江

ありがとうございます。御子柴さん、オランダから聞いていますという方からの質問なんですけど、二つ質問いただいています。

キーマンのキャリアを握るというところを詳しく教えて欲しいです。その際に苦労したことはありますか。

トップ面談でキーマン相手の基準を満たさなかったなど何かあれば教えて欲しいです。

御子柴 雅慶氏:ありがとうございます。

これは先ほどオーナーさんのライフの話をしたんですけど、それとほぼ同じだと思います。

リクルート行くと「お前はどうしたいんだ」って言われるってのがネタになっていると思うんですけど、あんな感じですね。ほんとに。

常日頃から「人生どうやって生きるの?」みたいな話を結構めっちゃするタイプでして。

自分自身ですることによって、その子の未来を聞いて、だったらこんなのがいい、こんなのがいいっていう風にガチで提案するんで、それをSENSEの枠組みにこうはっきり綺麗にはまっていったというか。

せっかく総合職になって働けて、このまま今すごいいいポジションにいると、社長と直でしゃべれる、学ぶものもめっちゃあるっていう意識付けで。

自分、結構本を読むんですよ。 月に10何冊ぐらいは、普通に読むんですけど。

彼女は、そういう本の話とかも、すごくノッてくる子だったんで。

「こういう話もあるよ」とか。 そんな話も、いろいろしたりして。

堀江

創業社長のクレイジーな方法はできないとおっしゃいますが、十年ほど創業から経営されていると思います。

その方法が染み付いていると思いますが、経営について正直しんどかったことなどシェアしてもらえると嬉しいです。

御子柴 雅慶氏:創業法人の方ってことですよね。

いっぱいありましたね。

一緒に創業した人をクビにしたり、いわゆるよくある信頼した方に何千万取られてしまったとか、ほぼ売上なくなってやばいみたいな。

そういうのとか、いろいろそういうのがありました。

堀江

ありがとうございます。

プロ経営者としての所作とか考え方、どっかで勉強したりしましたかって質問が来ています。

御子柴 雅慶氏:所作、そうですね。

これは社外CFOの方に入っていただいて、結構色々話を聞かせていただいたり、何か多分所作的なものはですね、一緒に仕事をさせていただくメンバーの方々から学ばせていただいたっていうのもありますし、個人的に興味があったので、普通になんとなくそういう本やウェブや何か勉強するみたいなのは、こう酸素を吸うように普通にやっていたので、そこで学んだかもしれないです。

堀江

これざっと質問にお答えできたかと思います。

御子柴さん、今日は夜遅くまでどうもありがとうございました。

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