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自己資本ゼロで利益数億円のオーナー経営者になる方法  ~コミュニティ型サーチファンドの活用~

※こちらは2023年4月2日に視聴希望者限定で行われたイベントのアーカイブ記事です。

日本プロ経営者協会(JPCA)は、日本に数多くのプロ経営者を輩出するエコシステムを構築し、わが国を牽引するリーダーの輩出と事業承継問題の解決を目指し設立されました。

まだ日本にはプロ経営者が浸透しておらず、プロ経営者の働き方、プロ経営者になるためにどういったステップを進めばよいのか、求職ポジションにどれだけ出会えるのかという具体的な情報提供をしています。

また、具体的なプロ経営者案件として、事業承継の社長から直接オーダーいただいたものやファンドの投資先の社長としてプロ経営者のポジションをご紹介させていただいております。

当イベントでは、日本プロ経営者協会代表理事の小野氏よりコミュニティ型サーチファンドの活用についてお話しました。

目次

コミュニティ型サーチファンドとは

小野氏:コミュニティ型サーチファンドとはオーナーが自信のコミュニティで後継者になって欲しいと思える人材が一部の株式(又はストックオプション)を持ちながら、経営をするチャンスを与える仕組みです。ここでいう”コミュニティ”とは社内の事もあれば社外の事も有りますが、基本的には親族外コミュニティを想定しています。

コミュニティ型サーチファンドは、後継者が親族に居ない場合に、オーナーが希望する後継者にインセンティブを与えてその後継者に事業承継を行ってもらう為の仕組です。後継者には2つのパターンがあり、パターン1がオーナー企業のNo2の役員とか優秀な社員が後継者になる場合。パターン2がオーナーのコミュニティにいる優秀な経営能力がある知人や友人等、社外の人材です。双方のケースで、サラリーマン経営者になるのではなく、一部株式・ストックオプションを持ってもらうことによって、一生を捧げるに値するような仕事にしていく、というものです。。その方法としてはファンドから株式を出資し、一方で後継者人材にはストックオプションを付与します。結果としてハイレベルの理想的な後継者が高いコミットメントを持ちながら事業承継する事が可能になります。

後継者が他人事になりがちなサラリーマン経営者じゃなくて、自分ごととして経営することが可能になるので、インセンティブは出てきますし、オーナーさんにとっても非常に優秀な人材がやる気を持って後継者になってくれる、というメリットがあります。長年知っている人がコミュニティ型サーチファンドにおける後継者ですから、よくある外部から経営者をやってみたものの、ちょっとなんかやっぱり違うな、という期待外れな状況がおこりずらくなります。

オーナーさんにとって自分の会社のお金イコール、自分のものみたいなものなので、当然自分ごとになりやすいんですけども、なんか外から雇った人材、または会社のNo2の役員を昇格させたけれども、何となく自分が経営者だった時と比べてコミットメントが弱いなとか、自分ごと感がないなというオーナーさんいらっしゃるんですけども、当然ながらサラリーマン経営者である限り完全には自分ごとではないので自分ごとにならないっていうだけで、自分ごとになれば自分ごとのように経営しておられる人が出てくるので、そういうオーナーさんにとってもきちんと本気でやってもらえる後継者を見つける、後継者を雇うための仕組みになっていくというものでございます。

親族外承継の動向

親族外承継がどういう状況になっているかというとトレンドとして増加成長しているということでございます。ここでいう親族外承継とはM&A、社内昇格(親族以外)、社外招聘、この3つが親族外承継と言えるようなものかなとは思います。

親族外承継が年間約3万件ぐらいあるんですけども、現在、実は我々年間1000社ぐらいのM&Aの案件を見ているんですけれども、その中で1%弱くらいが内部、元々オーナーさんからその方が株も引き継いで、経営を引き継いだときにオーナーさんから株をある意味非常にいい条件というか、割安な条件で買って引き継ぎましたっていう人が1%弱くらいいらっしゃいます。1000分の数社くらい。

オーナーさんがほぼ会社をくれて、それをもとに自分がオーナーになって経営して本気でやっていると会社は非常に伸びたりします。ですので、親族外承継なのに株もきちんと引き継げる事業承継、それを増やしていこうというものです。オーナーさんが後継者に引き継ぐときに自分ごとでやってほしいって言うんですけども、自分ごとでやれる仕組みを作っていくっていうのが今回の取り組みでございます。

親族外承継の問題

親族外承継の問題でございますが、ちょっと繰り返しにはなりますけれども、社内の親族外の幹部人材と外部の人材が後継者になっていくというものが、親族外承継でございますけども、社内昇格と社外招聘では双方にメリット・デメリットがあります。

まず、社内昇格ですが、メリットとして社風に対する理解があって、従業員に対する求心力もある場合が多いです。一方デメリットとしては、現場の業務には長けているけれども、経営判断力に欠けている場合があります。特に中小企業の話でございますので、その方が経営ができるかというと、またちょっと別の能力も必要だったりしますので、ちょっとそこが問題だったりすることがあるし、中小企業にはなかなかそういう経営判断能力に長けていて、それを十分に備えた人というのはなかなか存在しないことも多いので、これがなかなか難しいと。

一方で外部招聘する場合はですね。既に経営経験がある人も中にはいますけれども、中小企業にない経験等、大企業でバリバリやっていた方もいますし、いろんなコンサルとかファンドにいた人もいるでしょうから、中小企業にはない人脈だったり考え方を持ち込めたりすると。

一方で当然ながら社内昇格でのメリットと対応する部分ですけど、社外の人なので会社とかまたは業界に対する知見がなかったり、あとは従業員に対する求心力や安心感は社内昇格の人と比較しては及ばなかったりします。中小企業で単独でこういったある意味結構バリバリの優秀なバックグラウンドを持つ人、一流企業にいたバリバリの人みたいな人を採用するっていうのはなかなか難しいですと。ベース、給料も数千万とか払える中小企業はそうはないので、そういうことでもできない限りは難しいですよという形になります。

共通の問題としてはですね。親族外ではあるが優秀な方が後継者になったとしても、オーナーさんがグチグチ言うのは、やっぱりまず後継者の方にとってサラリーマン経営者になりますので、当然ながら他人ごとというか、自分がオーナーでもないので、ある意味サラリーマンの感覚で経営をしていく方が多いと思います。また、そもそも優秀な方を親族外承継で後継者に招聘するのは難しいですが、なぜお願いできないかというと、インセンティブがないからということでございます。株を持っていれば自分ごとになったりするんですけども、資金がないという問題があって、なかなか株を持って自分ごとで経営ができない、インセンティブもない、なので優秀な人も来てくれないという問題があるという形でございます。

そもそも中小企業ってなかなか優秀なハイレベルの後継者候補を外部から雇うっていうのが難しいんです。なぜ難しいかというとまずはインセンティブがないということです。ベースもやっぱり中小企業だと1500万位払えば「頑張りました」っていう状況でございますので、当然1500万までで一流の人材を雇えない。次に金融機関の保証とかがあるリスクがあるとか、優秀な人から、外からの人から見て、この会社って本当に利益が出ているのかなっていうのがわからないことが多いです。「本当は利益出てないんじゃないの」とかそう感じる会社もあるし、実際に入ってみたらボロボロですぐ辞めましたって、そういう経験を持っている方もいらっしゃるんですけども、外から見えることがないと。

次に創業者の属人的な判断に経営が左右されて、経営の長期的にはこういうことをすれば企業価値もあがっていくということもなかなかそれを実行することが許されないということがあったりします。

コミュニティ型サーチファンドで何故優秀な人材がきちんと企業にコミットしてくれるかを簡単に言えば二つ、①ファンドが介在したりすることによって、オーナー経営者に雇われるよりも変なリスクを追わずに企業価値向上に邁進出来る、②ハイレベル人材がストックオプション等で中小企業に自分ごととして経営参画をすることになるということでございます。

コミュニティ型サーチファンドのニーズ

次、コミュニティ型サーチファンドのニーズということなんですけれども、先程ありましたどのぐらいの親族外承継が日本であるかというと、大体事業承継の40%から50%ぐらいが親族外承継になっています。

パターン1が20-25%内部昇格で社長に非常に中での活躍を認められて次はあんたが社長だぞということで内部昇格する場合と、あとはパターン2として社外招聘で15-20%ぐらいの方が後継者になっています。基本的にはですね、双方のパターンでオーナーさんは自分の後継者が自分ごとで経営するためにファンドに案件が持ち込まれたりする時も「本来ならNo2のあいつが株を買うべきなんだ」「あいつは金ねえから無理なので、ファンドに話をすることになったんだよ」と言われることが我々にはたくさんあります。

後継者さんに直接あんまり「本当は株買いたいですね」とか言われることはないですけども、その選択肢があればやりたい人がいるのは、これはもう明らかにですね。こういうストックオプションがある案件とない案件では後継者候補を募集する際に20倍くらい応募が違ってきますので、それぐらいですね。

後継者になる人がストックオプションだったり、株を持てると20倍ぐらいの人が押し寄せるということで、確実に願いがあるっていうのはもう聞かずにして分かっているというような状況になっています。そういう大きな株式を保有するインセンティブを持てる機会はあんまりなくて、親族外承継のうち1%弱ほどが、先ほどあったようにオーナー様が非常にお金に興味がない、執着がない場合、あと会社を引き継いでくれるなら、もう金の問題でこの人が引き継げないぐらいだったらもう金なんていらない、もう本当にタダ同然で買ってくれって感じで非常に安く余剰な資金、現預金とかが5億円とか余っているので、それを自分のものに配当とかで吸い上げた後で、あとはほとんどタダ同然で会社あげるから、来年からお前が稼いだ利益はお前のものだから、自分ごととして会社を引き継いでちゃんと社員の食い扶持を確保してくれという形で幸運な方が1%弱ぐらいいらっしゃいますけども、1%くらいしか逆にいないという形です。

現在の親族外承継が行われる2万社のうち200社弱ぐらいしかそういう会社は毎年いないと思いますけど、本来であれば2万社ぐらいのうち2000社-3000社ぐらいにそういうこういうチャンスがあると思うんですけども、それを満たすための仕組みがないので、本当に1%、毎年200社くらいが宝くじに当たるような形で、オーナーさんから会社をほぼタダ同然でもらっている人はいますけれども、ほとんどいないというような状況になっています。

具体的なニーズ=現状埋められていないギャップ

これは実際に後継者にならんか?というそういうことを聞いたりしたことがありますし、例えば私も昔言われたこともあったりするんですけども。多分ここでMBAの為にスクールに通ったりとか、そういうプロ経営者に興味ある方だと、恐らく一生に一回くらいはこういうことが起きる人も多いと思います。例えば非常にいい会社なんですけども、営業部長のTさんが優秀で経営センスもあるので、社内メンバーからもあいつは尊敬されていると、本当は後継者候補なんだけど、オーナーさんは本来であればあいつに買ってほしいんだと。ただ金ないよねと。それで結構ファンドに来たりするんですけども、一方でこの人Tさんも後継者になれって言われているけれども、サラリーマン社長になるのって結構辛いわりには報われないポジションだよねと。給料も200万ぐらい上げるよって、今1000万で1200万にはしてくれるって言っているけれども、200万の差でいろいろな責任が自分に来るとなるとちょっと正直言ってそれだけじゃやりたくないけど、株の部分が動くならちょっとやる気が出るけど、金はないみたいな状況はM&Aの現場では豊富に存在しています。

こっちの表の方もですね。40代の飲み友達のS君が優秀で一流のMBAを出ているし、コンサル経験も積んでファンドの投資先で経営経験もやったことがあるので、ってことで、彼とこの人は昔からの数年来の友人関係があるので、この人にやってほしいなと思っているんだけど、この人からすると、株ある程度は持たないとやっぱ中小企業の社長をやるって結構キツイというか、同じですよねという状況で。しかもとはいえ数億円ぐらいの利益が出ているので、その会社を買う金はないと。難しいなということで決まりませんでしたという形でございます。ニーズがあるんですけど、なかなか決まりませんっていう状況ですね。

日本プロ経営者協会の取り組み

プロ経営者協会ではこういった後継者の部分に関しまして2つのアプローチをしていますと。後継者がいない場合はですね、プロ経営者協会には1500名くらい後継者候補の方がいらっしゃるので、オーナーさんにどういう人がいいですかというふうに聞いてですね。中小企業の理解があって、経営経験の方もできれば、ちょっとこういう経験ぐらいまではあった方がいいとか、CFOくらいは管理の部分に強い経営者を欲しいから、CFOとかそういう経験がある人がいいなと。あとは業界経験があった方がいいなという。

半分以上はですね、7割ぐらいはこういう業界の経験があった方がいいって人が多いですのでそういう人を中から厳選してご紹介したりしてマッチングしていくと。当然ですけども、中小企業で本当に売上数億円ぐらいの会社も多いので、その方に見合って優秀な方を採用するために、ストックオプションが基本的には10%以上を付与していますし、オーナーさんがいなくなるので、きちんとファンドが判断してファンドが企業価値にとって良いか悪いかを考えてやることとかを決めていきますので、好き嫌いで経営することがなくなるので、非常に優秀な方が後継者になっていただいているという形でございます。

これは実はですね。ちょっと話ずれますけれども、サーチファンドも実はストックオプション20%ぐらいが相場でございますけれども。経営経験ない人が多いのが現実ですけどもストックオプションがあるから、スペック、ベースの能力は高い方が興味を持ってやってくれのが現実です。中々経営者としては選ばれない経営未経験の若者でも、20%位のストックオプションのインセンティブがあるのでサーチの苦しみみたいなのを味わうことを前提としてでもサーチャーの活動を行っているのがサーチファンドのリアルです。よくサーチファンド経営者の方が経営っていうのは別にどの会社でもある程度トップクラスの人であれば経営できるんですということはおっしゃる。半分は正しいですが、オーナーさんが求めているのは、経営経験や、中小企業理解がある人材なんですね。オーナーさんが求めているのに「いや、経営経験なくても私は出来るんです」って言っても、当然オーナーさんは「ちょっと・・・」と受け入れられません。まだ経営経験が無いサーチャーさんと同じぐらいハイスペックですごい人で経営経験がある人とない人でどちらを取りたいかというと、経営経験ある人材を取りたいのが現実です。なので基本的にはなかなかサーチファンドではオーナーさんから受け入れられることは多くはないのが現実で、無理な金額で提示したりしているのが現実と良く聞きます。ただ、当然そういう人でもやる気さえあればいいというオーナーさんも中には存在するので、その人を見つける旅に出るのがサーチファンドのサーチャーという仕事になりますけども、基本的には当然ながらより高いレベルの経験とかですね。そういったものがある人の方が当然、我々ファンドで何十件もやっていますけども勝率が高いので、こういう人を選べるサービスがあった方がオーナーさんにとっては嬉しいですよね。サーチファンドは経営未経験の夢がある若者に経営の道を容易する社会的な価値は高いので協会では経営未経験の人材が陥る失敗を避ける為の教育や、コーチング等を用意しています。

今回、コミュニティ型サーチファンドというのは、後継者候補が居るものの、その人が後継者を中々受けてくれない、こういった問題を解決するサービスのことを言っております。

後継者候補がいるんだけれどもオーナーが自分ごとで経営して欲しいと思っても、なかなかしてくれないという問題を解決するためのスキームであったり、あとは優秀な人にやってほしいんだけど、なかなか優秀すぎてウチみたいな中小企業には来てくれないよねと半ば諦めているオーナーさんにこの仕組みを使ってもらえば、レベルの高い人も来てくれますよという形で、オーナーさんにハイレベルの後継者を採用できる仕組みを提供するものでございますし、プロ経営者の方にとってはですねインセンティブの設計としてストックオプションを20%ぐらいを付与するものと思っています。

何でかというと、既に後継者候補であるという方ですので、それが非常に我々の投資をする側からすると価値でございますので、ストックオプションはミニマム15%以上ではありますけど、20%くらいは少なくとも付与できるものと思っています。その方々がなかなか自分だけでは後継者候補って言われている、やってくれないかって言われてるけど、先程の優秀な方のように、ただのサラリーマン社長だったらちょっとお断りだなっていうのをインセンティブとしてストックオプションを20%以上は約束できると思うんで。ファンド側としてはエクイティ出資をするとか、ローンの調達の交渉とかですねということをさせていただいて、きちんと後継者になって、更にストックオプションも持てるような後継者になっていただく機会を与える仕組みでございます。

コミュニティ型サーチファンドと通常の後継者就任比較

コミュニティ型サーチファンドと普通の後継者との比較で言うと、後継者になる方にとっては全くインセンティブが違うと思います。ベース報酬だと、大体どこまで中小企業って言うかにもよりますけども、例えば3億円、4億円ぐらいまでの営業利益の会社であれば、やはり2000万ぐらいが上限なのかなと思っています。

オーナーは当然1億とか取ったりしていますけども、やはり外部の後継者ですので、なかなか2000万以上に取ることは難しくて、優秀な人材でも「うちの部長が800万ですごい活躍しているから社長でも1200万円」みたいな感じですね。中小企業の社長だとしてもこのぐらいの金額になるのかなと思います。インセンティブも例えば利益が3億円の会社が利益4億円になったら500万位給料あげるよ、賞与あげるからといってもこれが1800万だったのが2200万、2300万円とかですね。そのぐらいはあるかもしれないんですけど、それ以上というのはなかなか望めないというような状況になります。

リターンとしては中リスクで低リターン、中小企業ってぶれはありますけれどもリターンとしてはこういう数字になってくると。10年後としても金融資産で数千万くらいまで、4000万ぐらいまであれば、かなりできた方なんだろうなと思っています。

一方、コミュニティ型サーチファンドはストックオプションで20%以上ぐらいは出ると思います、が基本は提携ファンドより出資が可能でございます。ストックオプションは20%くらい持てると、インセンティブとしてはベースはこのくらい(通常の後継者)と同じだとしてこれプラスストックオプションによるインセンティブの部分が出てくる。その部分が億円単位になってくるケースも多いのかなと思います。

中小企業経営のダウンサイドの部分に関しては、殆どリスクは無く、こういった自分が創業することもない、自分の金銭と個人保証も負わずにこのアップサイドのリターンを取れるという意味では、これ以上の低リスクなキャリアには無いオプションだと思っています。

コミュニティ型サーチファンドの仕組みを活用した経営者就任

コミュニティ型サーチファンドは基本的にはご自身が後継者に決まっている場合とかにオーナーに社長をやってよと言われている時に、その会社をただのサラリーマン経営者としてではなく一部オーナーとして経営する仕組みという形でございます。その場合にそれだけではなくて案件を持ち込んだ手数料を支払う事も出来るかと思います。

ここにまとめますと、サーチ活動に対する成功報酬はM&A仲介と同じようなフィーを払いますし、サーチ方法のアドバイス「こういう風にオーナーさんに言われているんですけど、こういうのって可能なんですかね」「じゃあちょっと本当にやってあなたにとってやるべき会社なのかっていうのも見なきゃいけないんで、こういう資料が最低限もらった方がいいですよ」とか「こういうことを聞いてやった方がいいですよ」とか、どういう風に理解してもらえば良いんだろうとか、そういったアドバイスもできるのかなと思います。あと、必ずしも私が経営しているファンドが投資できるとも限らない。例えば、案件が大きすぎるとかであれば別のファンドが必要だったりしますので、そういったところをまさにファンドに紹介しながら、ファンドさんに紹介してもらってもきちんと基本的にはストックオプションが前提になるようなスキームをきちんとファンドに説明できるようなこともサポートします。実際、それをやって決まった案件が去年あるんですけども。あとローンの調達とかも場合によっては我々からサポートさせていただくことが可能かなと思います。あとは案件のエクイティ出資は我々のファンドでもできますし、我々じゃなければ他の提携ファンドからもできています。このファンドは去年1件やっていますね。ファンドが紹介できるとか、あとはここの部分(ストックオプション15%以上の付与)が一番大きいのかなと思っております。

コミュニティ型サーチファンドのポテンシャル

コミュニティ型サーチファンドのポテンシャルは様々な数値から推測すると年間2000社~3000社くらいのポテンシャルがあると言えます。コミュニティ型サーチファンドというものが、世の中に浸透すれば年間2000社~3000社の方々がある程度の株を保有しながら事業承継に挑める環境が整うと思ったので、これから我々としてはそういったものを社会に理解してもらってそんなことをできるチャンスがあるんだということを浸透させてまいります。希望の後継者さんが居るオーナーさんから来て、だったら我々の方で口説いてその人に社長になってもらいますっていうこともできるんですけども、皆様後継者候補側の方々から来るっていう話があっても全然おかしくないので、後継者になってと言われているものの、サラリーマン社長と言われても嫌なんだけども、コミュニティ型サーチファンドの様なチャンスがあるなら、そういう形で案件化できないかっていう相談は後継者候補の方からも来てほしいなと思っています。

どうすればコミュニティ型サーチが可能になるのか


じゃあ、コミュニティ型サーチファンドのサーチャーになるというか、サーチャーになっているという状況で、どういう風にすればいいのかということなんですけども。オーナーの近くにいることです。例えば内部昇格、中小企業の後継者になるポジションに入っていくと。例えばプロ経営者にまずはなってみて、なった後に幹部のほうに行くっていう手もあるのかなと。あとはオーナーが来る場所にいることっていうのがありますし、ファンド、コンサルの転職。ファンドだと一番こういう(オーナーの味方、右腕)に近いものを見ますので。あとコンサル以外にM&A仲介会社の方が会社を、自分がM&Aに関わろうとした会社を自分で買ってしまうケースもたまにはありますので、そういうケースもあるなと思います。ただ、自分で見つけてっていうのはありますけどもそういう形で自分で会社を見つけて買ってみましょう、みたいなそういう話ってあると思いますけども、それでは数億円以上の会社を買うってチャンスはなかったと思うんですけども、数億円の会社でも出すファンドが存在しますので、こういうファンドを使って一部のストックオプションとかを保有しながら事業承継を行うっていうチャンスがあります。

あとは頼られる存在になるということで色んなフラグを立てるとか、エクイティ出資ができる状況をまさにこのコミュニティ型サーチファンドということもあるんだということを知るだけでも、もう既にできる状態になっていると思っていたほうがいいと思うんですけども。あとはオーナーさんにアドバイスができる立場になるということですね。あとはプロ経営者を体験するのが一番ということでございますけども、そこを経験すると非常に、例えばエクイティを出す方も出しやすくなりますし、オーナーさんにとっても「あの人って経営者としてすごい成功しているらしいな」ってなれば、当然ですけど自分の周りの知人の経営者さんもすぐ「うちの会社もやってよ」って話になってきたりしますので、そういうチャンスが訪れやすいようにやっていくっていうのがポイントかと思います。

ポテンシャルを実現するために今後行う予定の活動

小野氏:一応ですね。ここにメディアのロゴとかにあったんですけど隠して、メディアとかとタイアップしてこういう活動がある仕組みがあるんですよということで、皆さんのポテンシャルとしては年間2000件か3000件くらいの案件。このコミュニティ型サーチファンドの仕組みさえ知っていれば、そのぐらいの案件が動くことになりますってなると思いますので、そういった案件を通して皆さん別件でも発掘していただきたいというのが我々の願いです。

以上、ちょっと駆け足というか長くなりましたけども、コミュニティ型サーチファンドのコンセプトのご紹介となりました。はい、匿名の方で質問を1個いただいています。優良企業ほどストックオプションの発行価格が高くなると思いますが、持ち分が大きな量になるほど、手持ち資金は一定で必要になるかと思います。この際のローンなども協会でサポートしていただけるのでしょうか。

はい。サポートいたします。

というのはですね、これ最終的には我々のファンドが関わってきたり、我々ではなくて他のファンドさん。我々はあまり大きい案件だとやっぱりイグジット事例が100億円とかになってきますと、ちょっと我々のファンドだと大きすぎて扱いづらくなってきます。その場合には他のファンドさんに御紹介して。我々が去年やった事例としてはですね。後継者が決まったら会社を売却したいなと思っているオーナーさんが来て後継者が協会の中で決まったんですね。その方が決める際にストックオプションがないと当然やらないって話でしたが、ストックオプションがある、こんなチャンスないよということで、その方が後継者になることは決まって、じゃああとは買い手を見つけるだけなんていう状況になりまして、基本的にはこの方が後継者になることが前提の案件ではございましたので、この人にやってほしいから売るんだっていう話だったので、他の人だったら嫌だっていう話だったので、この方に後継者になる前提で、その前提にはストックオプションがある前提で会ってくれるファンドを探しに行って某ファンドが買ったという案件がありました。

そのファンドが当然ながらローンなども、協会といえばファンド側でサポートする形ですね。ストックオプションはですね。基本的にファンドと同じぐらいの金額で入るというストックオプションでございます。

小野氏:ストックオプションはお金を払って買うので、等価交換なのでそこで税金は発生しないです。ストックオプションを最後、イグジットした時に現金化する場合、この場合、ストックオプション自体を売却する場合に8億円入ったとすると、この8億円に対して20%ぐらいの課税があります。その他利益の金額に応じてボーナスをもらえるとかっていう話もあったりしますけども、それだと基本的に総合所得になりますけども、ストックオプションでもらえるのがいい理由は最大55%の税金が取られるボーナスと比べて20%程度の課税で済むのが良いです。

堀江

一般的には5、6億円ぐらいの会社のファンドを買う場合は、10%ストックオプションがあった場合は手出しほぼ0みたいな感じですね。

小野氏:そうですね。我々のやっている案件ですと手出しは100万円いかないくらいですね。10%ぐらいであれば。ちゃんとした税理士さん、会計士さんにきちんとしたバリエーションの手法で、評価書をもらっています。

Q&A

堀江

では、ここからQ&Aに入ります。皆さんのQ&Aのところからどんどん質問いただければからピックして回答していきます。事前に質問いただいていたネタがありますので、そこに答えていきたいと思います。

Q.1社目のM&Aを行う際の企業・資金調達・関係値を築くべきパートナーとは?

堀江

一つ目が、1社目のM&Aを行う際の対象企業希望、資金調達方法、関係値を築くべきパートナーなどについて伺いたいということです。

小野氏:今回で言うと、コミュニティ型サーチファンドになるという話のまだまだこの話を聞く前の話なので、自分で会社を買う、自分が買い手の場合って感じでしょうね。多分。対象企業規模は恐らくですけども、よくあるのはオーナーさんに自分や自分のスキルが刺さる会社がいいんじゃないかなと思います。要は、例えばやはりサーチファンドの経営者の方が言うように、どんな会社の経営もできるというのは確かに一つの真理な部分もあるんですけども、正直言ってですね。業界出身で同じぐらいハイスペックというかすごいやる気とIQとEQが揃っている人にとって、どっちが有利ですかと。当然ながらIT企業出身の人が「メタバースを経営しろ」って言われて商社経験の人がやるのとどっちが簡単って言うと当然な話、IT企業出身の経営者の方が当然100%、より額伸ばせると思いますので。当然ながら得意不得意、自分が得意そうな分野のところの専門家みたいになってオーナーさん相手にアドバイスできるようになるといいと思います。

そういう状況もあればですね。その会社のサイズによってファンドによってはこのぐらいのサイズしかありませんとか、我々が一番小さい、具体的に言うとマラトンキャピタルっていうファンドは5000万から5億円ぐらいのEBITDAの会社も対象としますけども、ここら辺の対象であればそういったファンドと近づいておくと良いと思います。

関係値を築くべきパートナーさんとかはどうでしょうね。M&Aを行う際ってもう既に売手様が見つかっているという状況であれば、やっぱりファンドが一番。今回の話であれば、ファンドさんに持っていても、ストックオプションで15%前提っていっても「何言ってんの」とかなっちゃったりしますんで、なかなか理解が得られるファンドさんは多くないかもしれないので、まずマラトンはそういうのをやりますと公言していますので、マラトンはオススメだと思っております。

堀江

最近、M&A仲介にいる方が自分の案件を自分で買って経営している方もぱらぱら出てきていますね。あれって手金がいくらか数千万円持っていて、あとフルローンで買っているケースが多いんですかね。

小野氏:フルローンに近い手法で買っている場合もあると思います。まず数千万出して、あとはそれができる案件もたまにはあると思うんですね。あと、あんまり条件が高くない会社も中にはあるんじゃないかなと思うんですね。

堀江

だからそれはすごくラッキーパターンでそんな数はないという事ですか。

小野氏:あんまりないとは思いますね。多分、仲介会社さんの100人がいて、まさにさっきの1%くらいの人がそれをやっているようなイメージに感じますね。

堀江

まだまだ個人が会社を買ってファンドとか他の人がお金使わずに借りるだけで買うっていうのはまだないですね。

小野氏:あとそれなりにまあまあいい会社はなかなか買えないのかなっていうのが実情です。

堀江

他のファンドが手を出さないちょっと厳しい会社を実は買っちゃっているのかもしれないっていうか。

小野氏:そうですね。魅力度がそこまでではないものが多いとは思います。

堀江

ファンドからしたら魅力的じゃなくても個人だとこんなもんでいいかと。

小野氏:そうです。利益も5000万出ているっていうのは、個人からしたって自分で利益5000万の会社を作るのは大変だと思いますので。

Q.プロ経営者で成功するための必要条件とは?

堀江

次はプロ経営者で成功するための必要条件、なるための必要条件。成功条件必要条件ということですけども、一般的な業界知見とか経営者の経験以外だと何があるかという質問です。

小野氏:私も十何年くらいこの仕事をやっているんですけども、ある程度中小企業のこと、状況とかを把握されている方が選びやすく選ばれやすいとは思います。選ばれやすいですし、失敗しづらいと思います。

優秀な人だったら別にそんな中小企業の経験なくてもできるだろうっていうのがあるとも言えるんですけども、やっぱり経営は人のリーダーになるという事ですので、大企業しか経験がない方というのは、中小企業のやり方とかですね、大企業の自分の会社の優秀な幹部とか役員のことを思い出し、思い描いてそういう風に振る舞ったりする人がいるんですね。そういうことをしてしまいますと中小企業では通じず失敗します。そもそも選ばれづらいとなるんですけど、そもそも成功できなかった、大失敗をしてしまうような人も多いです。いい会社だった会社をですね、大企業しか知らなかったりコンサル経験しかしたことが無い人が経営したことによって、MBAで学んだことをそのままとかコンサルでやったことをそのまま取り入れちゃったら、会社に人がいなくなって潰れてしまう、それなりに成長した会社が潰れてしまったって会社をそれなりに見てきているんですけども、やっぱり中小企業のことを理解しているっていうのが必須と思ったりします。

ファンドでそういうのを知らない人っていうのは、結構優秀な人だったらできるんじゃないかと雇ってみたら、いや、さっきのこうなった案件というのは、まさにファンドの案件なので、ファンドの人って実際にやったことのない人が担当になってしまうと、中小企業の扱いがなってない人を雇ってしまうと、まずこの人優秀そうだなって思って選んでしまって中小企業には向かないようなやり方をやってしまって会社を潰す人がいるので、そういうことにならないように、中小企業の理解を深めるのがいいのかなと思ったりしています。

堀江

中小企業の味方ですね。

小野氏:普遍的にという話ですと、やっぱりそこにも繋がるんですけど、やはり人間的な魅力を高めてください。っていうのは人間的にも良いっていうのはなかなか鍛えられないかもしれないんですけども、やって良いこととやって悪いことがありますので、それを知っておくのがいいんじゃないかなと思います。

本当にやっていけない事というのはDAY1でいきなりこう大上段から当然普通の人ならそんなことやんないよっていうことでもやってしまって、会社を潰す人がそれなりに賢い、非常にハイスペックなコンサルで、非常に高いレベルのMBAを出た人がやってしまうって会社を潰しているのが実情です。そういうことをせずに、まずは自分が従業員の立場まで降りて後継者になった後に、従業員にとっては最初は身構えたけれども、この人にある程度任せても大丈夫なんだなと思ってもらえるような人になるというか、そう思ってもらえる様な事をすることが一番まずは最低限重要かなと思っていますという感じですかね。

Q.女性プロ経営者のニーズは?

堀江

次は、どういったらプロ経営者になれるか、女性プロ経営者のニーズがあるかってことですけど、女性っています?

小野氏:ニーズに関しては女性がいいって言われたことはあまりないんです。ないですけれども、女性の方がいい案件っていうのはあるのかなと思いますね。社員が女性が多かったりして、今の社長も女性な場合もありますので、その時に女性とやった方がいい場合はあるかと思います。

どうやったらプロ経営者になれるかというと、これ僕の考えでもあり、失敗と成功たくさん見てきて失敗しない方のやり方、パターンのことを言うんですけども、繰り返しますけど、中小企業に近い仕事をするっていうことは大事かなと。自分のスキルアップの為に大企業に至るのは全然良いんですけど、その後いっぱい中小企業のことを理解して経験があっ方が良いです。そもそもやりたいって思っていたのが憧れはあったけどやってみたら大変で大企業に戻るわって言う人もやっぱりいたりするので、そもそも向いてないって人もいるので。私はやっぱり何十件見てそういう人を見てきているので、そういう結論になってはいますけども、経験した事が無い方は、そんなの関係ないと言いますが、そういう人達が沢山の失敗をしているのが現実です。ですので、中小企業の近いところの仕事をすると安心感が出ると思います。

堀江

どうやって、そういうポジションに就けるかっていう話でいうと、ファンドの投資先の取締役とか部長とかがしやすいかもしれないですね。

小野:あと、その手前にあるのは何かある程度トップコンサル等を経て、その次のどろどろ現場に入っていくようなコンサルとかっていうのもあるのかもしれないですね。

堀江

はい。最近でもちょこちょこ弊社に来られて新卒でベインキャピタルに入られて、将来は社長になりたい、でも直接は無理だからってことで、その方も28、9ぐらいでしたけど、ファンドの投資先で取締役で入れてですね。その次ぐらいにチャンスがあるかもしれませんね。

小野氏:それを見た上ででもやりたいっていう人は、やっぱりファンドからすると選びやすいかなと、入ってみたらここまでとは思いませんでしたってドロップアウトする、ハイスペックサラリーマン出身者も多数いますけども。

堀江

ですね。

小野氏:そのパターンなども分かんないなって思うので、一回経験して、もう一回やりたいって人はやっぱり信頼がしやすいんで、先ずは飛び込んでみたら良いのでしょうか?

堀江

中小企業の経営ポジションになれるキャリアとしては、そのファンド投資先とあと会社をどんどん買うのが好きな事業会社さん、DMMさんとか、ヨシムラ・フードさんとかああいう会社の投資先の経営をやってくださる会社さんがパラパラあるのでああいうところがいいかもしれませんよね。

小野氏:はい、サーチファンドに一回行ってみたい。憧れで行ってみたけども、やっぱりちょっと違う、無理だっていって違う道に行く人を結構私はチラチラ会ったり見たりするので。

堀江

弊社でもサーチャーで案件を見つけて経営者になって2年後ぐらいに転職相談に来られた方もいるんで。

小野氏:中には夢を叶える人も居ますが、みんながみんな成功しているわけじゃないですね。

Q.プロ経営者にチャレンジするにあたって具体的に必要なことは?

堀江

次が外資系投資銀行、証券会社でM&A、資金調達、IPO数多くの企業の経営支援、アドバイザーを経験しています。近年は特にIPO準備中のスタートアップのCFOをやっています。経営者の経験は個人企業程度ですが、チャレンジするにあたって具体的に何が必要か教えてくださいということですが、どうでしょうか。

小野氏:経営者だったり、今回のサーチファンドの話でいえば、結構近いポジションになってきていると思います。やっぱり経営者の経験は中小企業で大変でもいいのでチャンスがあればまずは飛び込んでなってみるっていうのが一番近道だとは思います。

堀江

トップでCFO、どのくらいのフェーズの会社かにもよりますけど、CFOをやられているってことなんで、スモールキャップを通したCFOとかさっきのDMMさんみたいな会社の投資先の社長とかみたいなんだったら。

小野氏:できるだけそういうトップに、ちっちゃく言えばまさに大企業の幹部、役員とかしか経験ないっていう人よりは、中小企業、ベンチャーでもいいから一回ぐらい失敗してもいいので、社長になったり、社長になれなかったとしてもCXOとかになった人の方が正直安心感があったりすることもあるので。若いステージの間に幹部っぽいチャンスがあったら、それが中小企業でもいいので、チャレンジした人の方が選びやすいっていうのがあるかなと思うんですね。ある意味茨の道だと思うし、例えばどっか大企業の商社とかにいれば、大した競争もあんまりなくて50代ぐらいまでは2000万ぐらい全員がもらえるっていう状況になると、茨の道に飛び込むっていうことになるけど。結構、でも商社の人って幻滅してプロ経営者を目指す人多いですよね。

堀江

多いですね。意外と直接なれない方も多いですね。

小野氏:やっぱり選ぶ側からすると、大企業の課長とか部長とかしか経験ない人に「こんなに大変だと思わなかった」って辞める人がいる事実がまさに選びずらい理由なので。サーチャーの組織もそうですけど「憧れを持ってやってみたけど、やっぱりキツイっす」って。そもそもサーチャーをやめるというよりは投資してみてキツいって思う人もいればサーチャーになって投資できなくてキツいって人がいますけども、やっぱり憧れと現実が違うので、本当にやりたいのであればまずやってみて、それでもやっぱ面白いって思えると思える体験を経験するのがいいのかなと思いますね。

堀江

一回やってみて、次もう一回プロ経営者をやりたいと思えたらそうしてもらって。

小野氏:大企業にいる方は人事部とかがエリートキャリアかもしれないけど、エリートキャリアではなくちっちゃくてもいいから何か立ち上げるところのポジションにいったりして、一件目は雇われてもいいので、経営再建をするっていうのは一番の最短距離ですね。何か立ち上げる時に真っ先に手を挙げる、他の人は何かリスクある、失敗しちゃったら昇進できないんじゃないって多分手を上げたくない人はいっぱいいるんですけど、手を挙げてみて立ち上げでも再生でも何でもいいので、中小企業のゼロイチのところじゃなくてもいいですけど、ゼロイチの方が多分若い人だと入りやすいと思うんで。

堀江

新浪さんがそのパターンですよね。確か、三菱商事でローソンのM&Aプロジェクトで手を挙げてなんとか入れてもらってそこからっていうね。

小野氏:大企業っていうのはそういう若いチャレンジしようとする人を比較的応援してくれたりすると思って。

堀江

あんまりいないでしょうからね。

小野氏:何か失敗したらどうしようみたいに思って手をあげない人も多いんでしょうから。

堀江

プロフェッショナルファームなんかいいですよね。中小企業にチャレンジしてダメだったらまたプロフェッショナルファームでチャレンジすればいいし。

Q.現在のサーチファンドの課題、今後の改善策

堀江

これまでの経験を踏まえて、現在のサーチファンドの課題、今後の改善策を教えてくださいということです。

小野氏:サーチファンドの課題というかですね。サーチファンドはオーナー様のためのものじゃなくて、後継者になる、プロ経営者になりたい人のためのものなんです。表には言えないけれど、欧米のサーチファンドの人も言っています。どういう意味かっていうと、オーナーさんとしてはできれば経営経験があって、中小企業のこともある程度わかって業界経験がある人がいいなって思ったりするところに経営も、中小企業の事も、場合によっては業界経験もない人が「私は情熱があるので、やらせてください」っていう感じで来るのでそれなりに勉強もしてやる気もあってゼロイチでもう本当に頑張ります、若さで頑張るって感じなので、オーナー様が誰も来なくて困って後継者を求めるところなので、サーチファンドってのは1件目の経営経験を得る為の場所としては悪くないと思いますけれど、なのでサーチファンドの課題はオーナーにより価値がある人材を選べる様にできるのか、そういう部分ですね。その為にはサーチファンドの経営者に中小企業理解や事業会社経験が必要なのではないでしょうか。多くの事業承継の経験が有るサーチファンドの経営者は今ないないので。

日本プロ経営者協会とマラトンキャピタル、手前みそになるんですけども、まさにオーナーさんからこういう人いないかっていうので、我々は結構たくさんの事業承継を行うファンドですので、例えば1年間に10件以上の事業承継を行っています、そこで案件をこういう人、手を挙げてくださいっていう活動はあるので、オーナー様側に立った活動をしているのは我々のファンドです。プロ経営者後継者さんにとって「すごくやりたい」って人ですごい情熱とベースの優秀さもあり、ある程度MBAなどの知識を備えた人に機会を与えるというのがサーチファンドだと思います。そこの部分では社会的には価値の提供は出来ていて悪くないと思っています。

また、経験にはこだわらない、業界にこだわらないオーナー様も中にはいたりするので、そういう時に自分にまず真っ先に声を掛けてくれっていうことはですね。ある程度サーチファンドと同じようなサーチャーみたいな人、能力と情熱が非常に高いレベルの人であれば、声かけはちょいちょいさせていただくっていう枠に入れますんで、ちょっと直接私の方に連絡していただければ、そこの枠に後継者は例えば経営経験が必ずしも社長の経験はないとか、業界の経験がない案件だったりすることもあっても、非常にやりたいのでという方はお声がけいただければ、その枠に入れてちょくちょくお声掛けさせていただこうかなと思っております。

Q.後継者を求める方々のコミュニティはありますか?

堀江

次は24歳銀行員の方からのご質問です。将来事業承継者を目指したい、事業承継社長になりたいってことですかね。そういった後継者を求める方々のコミュニティがございますでしょうか。これプロ経営者協会ですかね。

小野氏:そうですね。これまでというかコロナもあってですね。あんまりリアルなコミュニティ活動はこれまで行っていなかったんですけども、今後はコロナもあけてきましたので、少しずつ定期的にそういうのをやってもいいのかなと思ったりはしていますので、する時には多分FACEBOOKとかでまたやるとは思います。

あんまりメルマガでそういうのをやる感じじゃないと思うので、FACEBOOKとかに登録いただければそういう話が出てくる時に見ることができるのかなと思います。

堀江

FACEBOOKのコミュニティ、無料で一応審査制ですが、入れますんで。相談して問い合わせしていただければ招待しますので、皆さん入ってない方は是非入ってください。

小野氏:サーチファンドの問題で一つ言うと、サーチファンドをやっている方々ですね。中小企業に投資した経験がある、又は自身で中小企業を起こして成功させた経験がある、事業承継を自身でやったことがあるっていう人がほとんどいない。まあ新しい組織なのでサーチファンドをやっている人があんまり自身が中小企業に投資したことが例えば10件あるとかですね。そういう人はいないと思うので、そもそもファンドの方々が経験が少ないっていうのが一つの問題かなと思います。

やっぱり理想論というか、一般論で経営者というのはどの会社でも経営できるんだっていう話があるんでそうなってしまうのですが。逆に多数やったことある人、そういう事例を沢山見ている立場からするとですね。そういう人がやって結果どうなってしまったたかっていうのをたくさん見ているから言うと、理論として正しい部分も半分ぐらいあるけれども、現実はそうなってないですよというところがあったりはしますので、そこを分かってない人がやっているケースが多いのが現実です。

堀江

逆にいきなりプロ経営者になれない方がサーチャーの活動をして一回経営者経験を積んで、その後より魅力的なプロ経営者になるってパターンはありですね。

小野氏:入りとしてはいいですよね。それが得られるかどうかは別として、得て経験さえあればそれが失敗だとしても、大企業しか経験してない人よりもその失敗の仕方にもよりますけども、失敗してなおもう一回チャンスを欲しいっていう人の方が正直言って、信頼出来ると私は思います。むしろ失敗したのに、もう一回ってこの人はやる気があるんだなって思いますんで。もう嫌だって大体また前のキャリアに戻る人も多いですし。

Q.ファンドの投資先の経営陣が、この案件をエグジットする際に承継する可能性

堀江

現在、PEファンドの投資先の経営陣の一翼を担っています。現在のファンドがこの案件をエグジットする際に、今回ご紹介いただいたスキームを使って承継する可能性はありますかということですけど、どうでしょうか。

小野氏:ファンドのイグジット、まあロジック的にはありますしそれに近い案件を知っています。調べればわかるんですが徳田さんというプロ経営者の方が某ファンドのイグジットの時に自分で買っていました。まさにその方は、100%自分でファイナンスをしてファイナンスとか全部アレンジして自分で100%買ったんですけど、なかなか100%買うのは難しいとは思うんですけども、こういったファンドを用いて一部のストックオプションとかを用いて、自身が承継するということができるケースもあると思います。

堀江

徳田さんの事例はプロ経営者協会がまだなかった頃かもしれませんが、サイトを見ていただいて。そのうち徳田さんも連れてきますんで楽しみにしてください。

Q.中小企業の理解とは具体的にどういった理解をさしますか

堀江

中小企業の理解とは具体的にどういった理解をさしますかという質問です。

小野氏:これは一言で言えばリソースかなと思っています。大企業ではお金もそうなんですけど、人っていうのも結構大きくて、やはり中小企業に、ここにいる方はかなり優秀な層の方々が来ていただいているんですけど、そういう方々が自分の同僚みたいな人が当たり前にいる状況っていうのはあんまり基本的にはないと思った方が正しいと思います。

本当に幹部の一人か二人ぐらい以外0の場合もあるでしょうけど、その時には誰か探そうと思って、自分がこれをやろう、やりたいと思っても、それを理解できて、それを実行までできるとか、一緒になってできるっていう人があんまりいない場合がありますので、ある意味新規事業をやろうとして、自分がほとんど全部営業からプランニングからアポ取りから全部自分がやってみたいなことをしないと全然進められないとか、そういうリソースがないというところとかがあると思いますし、やっぱり中小企業って小さいので、小さいと業績の波とかも結構大きかったりすると思います。というところが大変だったりする部分があるかなと思いますね。っていうのが、中小企業の理解についてちょっと端的に話した感じかなと思っております。

堀江

リソースが思ったよりないよってことですね。

小野氏:そうですね。優秀なのは自分だけで、それ以外の人は幸運なケースを除いてそういう人はいないので、進めようにも動く人がいないとか、そういう感じかなと思いますね。みんななんかとりあえず言われたことだけやっていこうみたいな人が多いと思いますんで。

Q.CFOからCEOを目指すにあたって必要なこと

堀江

ファンド投資先の中小企業でCFOを現在やっています。CEOを目指すにあたって必要なことを教えてください。

小野氏:CFOをやっている方は少し近いところにはいるとは思うんですけども、中小企業、やはりCEOというのはどこにも逃げられないですし、トロッコ問題に日々直面して、部下のこの人は役員等も部分最適の事しか言わなかったりするんですけども、全体を見ると今これはできないとか、このリソースを使ってそっちを使ってやると、このより重要な事ができないからこれやればいいのにってそういうところをやっぱり一番見てるのはCEOでありますので、やっぱりそういう方との話、まさに我々がよくやっているプロ経営者のリアルみたいなのをやったりして、そういうのを聞いたりもそうですし、CEOを目指すのであれば、必要なことというのは、CFOの次にCEOのオポチュニティはよりちっちゃい会社でもいいからCEOっていうのに応募してみたりするっていうのはありなのかなと思ったりはしています。小さくても大変でもいいから、まずCEOをやってみるっていうのが、私が一番お勧めすることですかね。

堀江

CFOをやっている方だったら案件選ばなければ社長への交渉もありだと思うんですね。

小野氏:あとはまあ、そこのCFOからCEOに何とかなる方法があるのであれば。ただなかなかCEOは難しいと思うんですけど。そうでなくてもCFOをやっているのであれば、中小企業の部分もある程度の理解もあるでしょうし、あとはやってみることですよね。よくあの「どうすれば起業できますか」と言っていますけど「やればいいじゃん」「今やれ」みたいなのあると思うんですが、まさにアドバイスとしてはそれなのかもしれないですね。

Q.バングラでイグジットされた際のご経験を教えてください。

堀江

バングラでイグジットされた際のご経験を教えてください。

小野氏:バングラでやった案件はちょっと色々特殊なところもあるんですけど、これは自分が創業者でやった話でしてそれを某外資系の大企業に最終的にはイグジット、ちょっと色々紆余曲折経てイグジットしていったんです。プロ経営者ではないですけども、ゼロイチの一番大変なところから1から10になることが見え始めたところで、色々家庭の事情を見て回ってイグジットしたっていう話です。ちょっと1⇒10のところがプロ経営の仕事だと思いますけども、10が見えたところで、僕はイグジットして10になるのがほぼ決まったので、それなりのバリエーションになったっていう形でしたかね。

まとめ

堀江

皆さんありがとうございました。ということで今日お話したような内容も含めてですね。具体的な事業承継案件だとか、こういったウェビナーの紹介だとか随時行なっております。基本的にはFACEBOOKグループコミュニティで情報を流していますので、まだ入っていない方日本プロ経営者協会のFACEBOOKグループに入ってもらえればそこで全部を取れます。

小野氏:ヤマトヒューマンキャピタルのご紹介もいただいて。

堀江

ありがとうございます。お若い方もおられたと思うんですけど、直接社長が難しくて将来社長になりたいけども、今のキャリアの間を埋めたい、1個キャリアを埋めないといけないなという方は、ヤマトヒューマンキャピタルの方にご紹介、ご相談いただければ将来プロ経営者になる1個前、2個前のキャリアの作り方だけをお伝えしますんで、お気軽にご相談してください。

小野:皆さんこういう場所に来ていただいたりとか、日常的にそういうことを考えながら時間を送っていくとですね。そういう時が自分に来ることがあると。私は複数くらいかな。そういう起業とかそういうことをやる人生だったので、数回「やってくれねえか」っていう話がありましたと。私このファンドの起業をすることを考えてなければ、正直その案件をやったと思って。

皆さんもですね。多分、将来的にこの今日来ていただいている数十人の方にも、恐らく数人ぐらいはこういうチャンスが必ず一人一回か二回ぐらい訪れますので、その時に我々だけじゃなくてですね。こういう今回やったような話を聞いてくれるファンドと知り合って、ちょっとあんまり銀行系とか何かよく分からないファンドとかだと「俺だってそんなにもらってないのになんでお前にそんなインセンティブを億も入るインセンティブあげなきゃいけないんだ」って自分と比べちゃったりする人から言われたりするんで、なかなか理解できないファンドの人も多いかもしれないんですけども、うちのファンドであれば積極的にそういう話は検討させていただきますので。うちでもいいですし、周りの友人とかでファンドの人がいればお話したらいいのかなと思っています、という感じでしょうか。

堀江

皆さん、どうも日曜日にご参加いただいてありがとうございました。FACEBOOKコミュニティへの参加を完了しましたでしょうか。定期的にこういったウェビナーをやってますんで、またお会いできることを楽しみにしております。どうもありがとうございました。

小野氏:ありがとうございました。

 

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