FIREはやめとけと言われる理由7つ!失敗例や向いている人を解説

FIREはやめとけと言われる理由7つ!失敗例や向いている人を解説

FIREが「やめとけ」と言われるのは、生活費の25倍という莫大な資産が必要になることや、インフレ、相場暴落などの厳しい現実的リスクが存在するためです。

加えて、退職による社会的信用の低下や、時間を持て余すことによる孤独感に悩まされるケースも少なくありません。

しかし、事前にこれらのリスクを把握し、副業を組み合わせたサイドFIREから始めるなどの対策を講じれば、自由な生活を実現することは可能です。

今回は、「FIREがやめとけと言われる7つの理由」をはじめ、「失敗・後悔する人の共通点」や「成功させるための現実的な戦略」について詳しく解説していきます。

これからFIREを目指そうと検討している方は、ぜひ参考にしてください。

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目次

FIREは「やめとけ」と言われる理由7つ

FIREは「やめとけ」と言われる理由7つ

FIREは自由な時間とストレスの少ない生活を手に入れられる方法として注目されていますが、否定的な意見が根強いのも事実です。

その背景には、お金の問題と心の問題という2つの側面があります。

FIREが「やめとけ」と言われる代表的な7つの理由は以下の通りです。

  • 生活費の25倍以上の資産が必要でハードルが高い
  • 4%ルールだけでは将来の資産を守れない可能性がある
  • インフレ・増税・社会保険料の負担が想定以上に大きい
  • 暴落相場で資産を取り崩す「順序リスク」がある
  • 病気・教育費・介護など想定外の支出で計画が崩れやすい
  • 仕事を辞めることで社会的信用が低下する場合がある
  • FIRE後は暇すぎると感じ孤独や喪失感を抱える人もいる

ひとつずつ詳しく解説します。

生活費の25倍以上の資産が必要でハードルが高い

FIREを実現するためには、莫大な資産形成が必要不可欠です。

安定したリタイア生活を送るには、一般的に年間生活費の25倍もの資産が必要となるためです。

たとえば、年間300万円で生活する計画の場合、最低でも7,500万円という大きな資金を準備しなくてはなりません。

  • 年間生活費200万円の場合:必要資産5,000万円
  • 年間生活費300万円の場合:必要資産7,500万円
  • 年間生活費400万円の場合:必要資産1億円

ごく普通の生活水準であっても多額の資産運用が求められるため、目標金額の高さから途中で挫折してしまう人も少なくありません。

4%ルールだけでは将来の資産を守れない可能性がある

4%ルールは便利な目安ですが、そのまま日本で使うと資金計画が崩れる危険があります。

このルールはアメリカ株式市場の成長率7%と物価上昇率3%の差から生まれた理論であり、日本の税金や物価の事情が反映されていないからです。

前提4%ルールの想定日本での現実
運用対象米国株式が中心為替の変動を受ける
税金考慮されていない運用益に約20.315%
利回り年4%を前提毎年4%とは限らない

たとえば、特定口座で5,000万円の資産から4%にあたる200万円を取り崩す場合、そのうちの「利益(運用益)部分」に対して約20.315%の税金がかかります。

また、高配当株などで200万円全額を配当金として受け取る場合は約40万円が税金として引かれるため、手元に残る金額が想定より少なくなる点に注意が必要です。

ただし、新NISA制度を活用すれば運用益や配当金は非課税となります。

4%ルールはあくまで出発点であり、これら税金や制度も考慮せずに早期退職を決めるのは危険だと理解しておきましょう。

インフレ・増税・社会保険料の負担が想定以上に大きい

FIRE後の家計を圧迫する要因として見落とされやすいのが、物価上昇と社会保険料の負担です。

会社を辞めると、これまで会社が半分負担していた保険料をすべて自分で支払う立場に変わります。

総務省の消費者物価指数によると、2025年平均の総合指数は前年比3.2%の上昇となり、食料に限れば6.8%も値上がりしました。

さらに令和8年度の国民年金保険料は月額17,920円であり、年間では約21.5万円、夫婦2人分では約43万円という負担になります。

国民健康保険には会社の健康保険のような「扶養」の考え方がないため、配偶者や子どもの分も別途かかる点には注意が必要でしょう。

生活費だけでなく、税金と社会保険料も含めた資金計画を立てておくことが欠かせません。

参考:統計局ホームページ/消費者物価指数(CPI) 全国(最新の年平均結果の概要)

暴落相場で資産を取り崩す「順序リスク」がある

退職直後に金融危機などの暴落相場に見舞われることは、最も警戒すべきリスクの一つです。

「収益順序のリスク」と呼ばれ、資産が減っているタイミングで生活費を引き出すと、元本の回復が極めて困難になるためです。

たとえば、1億円の資産が暴落で7,000万円に減ったときに400万円を取り崩すと、残高は6,600万円にまで落ち込みます。

  • 好景気時の取り崩し:元本が成長しながら支出をカバーできる
  • 暴落時の取り崩し:元本が大きく目減りし、その後の利益も縮小する

このように、同じ金額を取り崩すにしても、リタイア初期の市場環境によって将来の資産寿命が大きく変わってしまいます。

病気・教育費・介護など想定外の支出で計画が崩れやすい

FIREの計画は「支出が毎年一定」という前提で組まれがちですが、人生には大きな出費が突然やってきます。

病気や子どもの進学、親の介護といったライフイベントは金額の幅が大きく、事前の見積もりが難しいためです。

生命保険文化センターの調査では、介護に要した一時的な費用の合計が平均47.2万円、月々の費用が平均9.0万円、介護期間が平均55.0か月という結果でした。

単純に計算すると総額はおよそ540万円になり、施設で介護を行う場合の月額は平均13.8万円にのぼります。

教育費についても、日本政策金融公庫の調査では高校入学から大学卒業までにかかる子ども1人あたりの費用が942.5万円と報告されています。

想定外の支出金額の目安
介護の一時費用平均47.2万円
介護の月額費用在宅は平均5.3万円/施設は平均13.8万円
介護費用の総額約540万円(平均55.0か月)
高校入学〜大学卒業の教育費子ども1人あたり約942.5万円

こうした支出を計画に織り込んでいないと、その都度資産を取り崩すことになり、当初の生活設計が成り立たなくなります。

参考:介護にはどれくらいの費用・期間がかかる?|リスクに備えるための生活設計|ひと目でわかる生活設計情報|公益財団法人 生命保険文化センター

仕事を辞めることで社会的信用が低下する場合がある

経営者や役員という立場を手放すと、毎月の役員報酬だけでなく社会的な信用も同時に失う場合があります。

金融機関は融資の審査で返済能力を見るため、資産の多さよりも収入の安定性を重視する傾向が強いからです。

そのため、十分な資産があっても定期的な給与収入がないと判断されれば、住宅ローンや自動車ローンの審査に通りにくくなります。

クレジットカードの新規発行が難しくなるケースもあり、日常のお金まわりで不便を感じる人は少なくありません。

FIREを目指すなら、退職後に必要となる契約を先回りして整えておくことが現実的な対策になります。

FIRE後は暇すぎると感じ孤独や喪失感を抱える人もいる

仕事から解放されたはずが、逆にストレスや虚無感に悩まされるケースも少なくありません。

これは、社会とのつながりや人生の目標を見失い、時間を持て余してしまうことが原因と考えられます。

起こり得る心理的変化
  • 毎日が日曜日になり、やることがなくて暇すぎる状態に陥る
  • 会社の同僚との交流がなくなり、社会からの孤立感を抱く
  • 自分の存在意義や価値観が分からなくなり、後悔してしまう

そのため、明確な目的ややりたいことがないまま早期退職を選ぶと、精神的な充実感を得られず失敗する可能性が高いのです。

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FIREで失敗・後悔した人に共通するケース

FIREで失敗・後悔した人に共通するケース

FIREの失敗は、特別な不運によって起こるわけではありません。

多くの場合、計画段階での見積もりの甘さや、リスクへの備え不足という共通点があります。

ここでは実際によく語られる5つのケースを整理して解説します。

資産運用の成績が想定を下回り生活費が不足した

FIREの失敗で最も多いのが、運用利回りを楽観的に見積もってしまうケースです。

4%ルールはあくまで過去の平均に基づく理論であり、毎年確実に4%を得られる保証はどこにもありません。

たとえば年200万円の生活費を5,000万円の資産でまかなう計画でも、利回りが2%にとどまれば運用益は100万円しか生まれない計算になります。

不足した100万円は元本を取り崩して補うことになり、翌年以降に運用できる資産はさらに小さくなってしまうのです。

この状態が続くと、想定していた30年よりもずっと早く資金が尽きてしまいます。

年間の運用利回り5,000万円から得られる収益年間生活費200万円との差
4%200万円過不足なし
3%150万円50万円の不足
2%100万円100万円の不足

利回りは低めに、支出は多めに見積もる保守的な計画づくりを心がけましょう。

株価暴落のタイミングで退職して資産が急減した

退職の時期と株式市場の暴落が重なり、取り返しのつかない状況に陥るケースもあります。

過去の経済危機を振り返ると以下のような出来事がありました。

  • リーマンショックの直前に退職し、資産が半分以下に吹き飛んだ
  • コロナショック時の急落でパニックになり、底値で株を手放してしまった
  • 生活費のために目減りした資産を売却し続け、元本が枯渇した

このような事態に直面すると、元の資産水準まで回復させることはほぼ不可能になってしまいます。

よって、相場環境に大きく依存したタイミングでのリタイア決断は、人生を狂わせる致命的なミスになり得ます。

再就職したくても年齢やブランクが壁になった

資金不足に陥ったあとで働き直そうとしても、思うように仕事が見つからないケースがあります。

長期間の就労ブランクは採用側から見て評価が難しく、40歳を過ぎてからの再就職は選択肢が狭まりやすいためです。

技術の進歩や業界の変化が速い分野では、数年離れているだけでスキルが通用しなくなることも珍しくありません。

その結果、以前より条件の悪い仕事しか選べず、期待した収入を得られない状況に陥ってしまいます。

家族との価値観が合わず生活設計が破綻した

パートナーや家族の理解を得られないまま進めた結果、家庭環境が崩壊する失敗例も存在します。

生活水準の切り詰めや将来への不安について、家族全員で同じ価値観を共有することは容易ではないためです。

家庭内で発生しやすいトラブル
  • 夫は節約して投資に回したいが、妻は旅行や外食を楽しみたいと対立する
  • 働かずに家にいるパートナーに対して、ストレスや不満が溜まる
  • 子どもに十分な教育費をかけられないことで、夫婦間の信頼関係が崩れる

独身であれば自己責任で済みますが、家族がいる場合は全員の同意と協力が不可欠となります。

支出管理が甘く資産寿命を短くしてしまった

退職後に支出が膨らみ、資産の寿命を自ら縮めてしまう失敗も目立ちます。

自由な時間が増えると、旅行や外食、趣味などにお金を使う機会が自然と多くなるからです。

現役時代は平日の日中を仕事に費やしていたため、そもそも消費する時間が限られていました。

ところがFIRE後は毎日が休日のような状態になり、月の支出が想定より数万円多くなるだけでも、年間では数十万円の差になって積み上がります。

物価上昇が続く局面では、意識して家計を締めなければ支出が増え続ける点も見逃せません。

FIRE後こそ、退職前より丁寧な支出管理が求められると考えておきましょう。

FIREで後悔・失敗した人の末路

経済的自立を夢見て踏み出したものの、計画が頓挫した人たちの末路はどのようなものなのでしょうか。

多くの場合、再び労働するか、生活保護などの支援に頼らざるを得ない厳しい現実が待っています。

想定外のトラブルや資金不足によって失敗した人は、最終的に経済的な困窮状態へと追い込まれます。

その最大の理由は、資産が枯渇してしまったうえに、年齢的なハンデでまともな仕事に就くことができなくなるからです。

苦しい生活を余儀なくされるケース
  • 最低賃金に近いアルバイトやパートを掛け持ちし、肉体労働で生活費を稼ぐ
  • 貯蓄が全くない状態で高齢期を迎え、わずかな年金だけでギリギリの生活を送る
  • 精神的なストレスから体調を崩し、医療費が払えず十分な治療を受けられない

せっかく自由を求めて行動したにもかかわらず、結果的に以前よりも不自由で不安な日々を過ごすことになります。

FIREには失敗した際のリスクが極めて大きい側面があるため、慎重な資金計画と人生設計が欠かせません。

FIREを目指すメリット

FIREを目指すメリット

ここまでリスクを中心に見てきましたが、FIREにはそれを補って余りある魅力があるのも事実です。

仮に完全なリタイアに至らなくても、資産形成を進める過程そのものが人生の選択肢を増やしてくれます。

ここでは代表的な4つのメリットを解説します。

働くかどうかを自分で選べる自由を得られる

最大のメリットは、労働に対する強制力から解放され、選択の自由を持てることです。

生活に必要なお金が確保されていれば、嫌な仕事を無理に続ける必要がなくなるためです。

たとえば、次のような新しい働き方や生き方を自由に選ぶことができます。

  • ストレスの多い会社を辞めて、自分のペースで働ける仕事に転職する
  • 週に3日だけ好きなアルバイトをして、残りの日は趣味に没頭する
  • 一切の労働をやめて、完全にリタイアして悠々自適に暮らす

このように、「働かなければならない」というプレッシャーがなくなるだけで、心に大きなゆとりが生まれます。

経済的な不安を減らし将来に備えられる

FIREを目指す過程は、そのまま老後の備えづくりにもつながります。

早期退職を実現しなくても、長期の投資と貯蓄を続けた結果として大きな資産が残るからです。

公的年金だけを見ると、令和8年度の老齢基礎年金の満額は月額7万608円、年額にして約84万7,300円にとどまります。

この金額だけで生活するのは容易ではないため、自分で資産を積み上げておく意味は非常に大きいでしょう。

新NISAでは生涯で1,800万円まで非課税で運用でき、年間の投資枠は最大360万円が用意されています。

制度内容
老齢基礎年金(令和8年度)満額で月額7万608円
新NISAの年間投資枠最大360万円(つみたて120万円+成長240万円)
新NISAの非課税保有限度額生涯で1,800万円

FIREに届かなくても、将来の不安を減らせるという点で取り組む価値は十分にあります。

参考:令和8年4月分からの年金額等について|日本年金機構

好きな仕事や趣味に時間を使いやすくなる

資産収入という土台ができると、収入の多さで仕事を選ぶ必要がなくなります。

生活費の一部が自動的に入ってくる状態であれば、報酬が少なくてもやりたい仕事に挑戦しやすくなるからです。

たとえば独立や起業、資格を活かした専門職への転身など、これまで収入面で諦めていた道が現実味を帯びてきます。

学び直しや長期の旅行、創作活動といった、まとまった時間が必要な取り組みにも踏み出しやすくなるでしょう。

時間という資源を自分の意思で配分できることこそ、FIREが多くの人から注目される理由のひとつです。

家族との時間やライフスタイルを優先できる

大切な家族と過ごす時間を最優先にしたライフスタイルを構築できます。

仕事の都合で家庭を犠牲にする必要がなくなり、物理的にも精神的にも余裕を持って家族と向き合えるようになるためです。

次のような豊かな家庭環境を築くことが可能になります。

  • 子どもの学校行事や習い事の送迎に、いつでも参加して成長を見守れる
  • パートナーと一緒にゆっくりと朝食をとり、平日の昼間に外出を楽しめる
  • 親の介護が必要になった際も、離職の心配をせずに寄り添うことができる

家族との思い出や絆は、後からお金を出しても決して買えるものではありません。

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「やめとけ」と言われてもFIREに向いている人

「やめとけ」と言われてもFIREに向いている人

FIREはすべての人に向いた生き方ではありませんが、適性のある人にとっては十分に現実的な目標です。

向いているかどうかは、収入の高さよりも習慣と考え方によって決まります。

ここでは、FIREに向いている人の3つの特徴を見ていきましょう。

長期投資と節約を継続できる人

FIREに最も向いているのは、長期の投資と節約を淡々と続けられる人です。

資産形成は短期間で結果が出るものではなく、10年から20年という時間をかけて積み上げるものだからです。

たとえば新NISAの年間投資枠360万円をフルに使えば、最短5年で生涯投資枠1,800万円に到達します。

ただし現実的には、月5万円から10万円を長期間投資し続ける形が中心になるでしょう。

相場が下落した局面でも積立をやめずに続けられるかどうかが、最終的な資産額を大きく左右します。

派手な運用テクニックよりも、地味な継続力こそがFIRE達成の近道になります。

収入源を複数持てる人

会社からの給与収入だけでなく、複数のキャッシュポイントを構築できる人も向いています。

収入源が複数あれば、株式相場が不調な年でも資産を取り崩さずに生活を維持できるからです。

たとえば副業や小規模な事業、不動産の家賃収入、高配当株の配当金などが候補になります。

月5万円の副業収入があるだけでも年間60万円となり、4%ルールに換算すると1,500万円分の資産に相当する働きをします。

収入源特徴
副業・小規模事業自分の裁量で収入を調整しやすい
配当・分配金資産を売らずに現金を得られる
不動産の家賃収入相場の変動を受けにくい傾向がある

一つの収入に依存しない体制をつくれる人ほど、FIRE後の生活は安定します。

生活コストを柔軟に調整できる人

生活費を状況に応じて増減できる人は、FIREの成功率が高くなります。

必要資産額は年間生活費の25倍で決まるため、支出を抑えられる人ほど目標額そのものが小さくなるからです。

年間生活費が400万円なら1億円が必要ですが、300万円に抑えられれば7,500万円まで下がります。

さらに相場が悪化した年に取り崩し額を一時的に減らせれば、資産の目減りを最小限に抑えられます。

住む場所や住居費を柔軟に見直せることも、大きな強みになります。

変化を恐れず、自分自身の生活スタイルを柔軟にコントロールできる人は、失敗しにくい傾向があります。

FIREを成功させるための現実的な戦略

FIREを成功させるための現実的な戦略

FIREは「全財産を投資して一気に辞める」という極端な方法だけではありません。

段階を踏み、収入と資産の両方を組み合わせていく方が、リスクを抑えながら目標に近づけます。

ここからは、今日から実践できる6つの戦略を解説します。

サイドFIREから段階的に始める

FIREを目指すなら、まずはサイドFIREから始める方法が現実的です。

サイドFIREは資産収入をベースにしつつ、不足分を副業やパートの労働収入で補うスタイルであり、完全FIREより少ない資金で実現できます。

たとえば年間生活費が400万円の場合、完全FIREには1億円が必要ですが、労働で200万円を稼げれば必要資産は半分程度に抑えられます。

月10万円を資産収入でまかなう場合の必要資産は、4%ルールで計算すると3,000万円という水準です。

社会とのつながりを保ちながら自由な時間を増やせる点も、サイドFIREの大きなメリットになります。

資産収入でまかなう金額年間の必要収益必要資産の目安
月5万円60万円約1,500万円
月10万円120万円約3,000万円
月15万円180万円約4,500万円

いきなり完全リタイアを目指さず、段階的に自由度を高めていきましょう。

配当株・インデックス投資で資産形成する

資産の土台作りには、長期的な成長が見込めるインデックス投資と高配当株投資を組み合わせるのが王道です。

その理由は、世界経済の成長を取り込みながら、同時に安定した現金収入(キャッシュフロー)を確保できるからです。

投資手法特徴とメリット
インデックス投資市場全体に分散投資し、長期的に資産を大きく育てる
高配当株投資定期的に現金(配当金)が振り込まれ、生活費に充てやすい

投資信託の取り崩しは相場下落時に心理的ストレスがかかりますが、配当金であれば資産を売らずに現金を受け取れます。

この2つの手法をバランス良く組み合わせることで、運用効率と心の平穏の両方を手に入れることができます。

副業や事業収入を育てて収入源を分散する

投資と並行して、自分で稼ぐ力を育てておくことも欠かせません。

労働収入があれば、相場が悪い年に資産を取り崩さずに済み、資産寿命を大きく延ばせるからです。

月5万円の副業収入は年間60万円となり、4%ルールで換算すれば1,500万円の資産に相当する価値を持ちます。

副業の実績は再就職や融資審査の材料にもなるため、社会的信用の低下を補う効果も期待できます。

稼ぐ力は市場の変動に左右されない資産であり、FIRE後の安定を支える柱になります。

不動産投資など安定収入を組み合わせる

株式だけに依存せず、不動産のような別の資産を組み合わせる考え方も有効です。

家賃収入は毎月一定額が入ってくる性質があり、株価の変動とは異なる値動きをするためです。

実際に、不動産投資による家賃収入を年間100万円から200万円ほど確保し、生活の土台にしている人もいます。

取り崩しに頼らず現金が入る仕組みがあれば、暴落時に慌てて資産を売る必要がなくなるでしょう。

ただし空室や修繕、金利上昇といったリスクも伴うため、仕組みを十分に理解してから取り組む姿勢が求められます。

項目メリットデメリット
不動産投資毎月の家賃収入が得られる空室や修繕、金利上昇のリスクがある
株式投資少額から始められ流動性が高い価格の変動が大きい

性質の異なる資産を組み合わせることで、収入全体の安定性が高まります。

資産配分を定期的に見直す

一度決めた資産配分(ポートフォリオ)を放置せず、年齢や状況に合わせて定期的に見直すことが重要です。

目標金額に近づくにつれて、資産を「増やす」こと以上に「減らさない」守りの運用が重要になるためです。

具体例として、年代や達成度に応じて次のように配分を変えていくのが理想的です。

  • 20代〜30代:株式比率を80%以上にして、リスクを取って資産を拡大する
  • 40代〜退職直前:株式比率を60%に下げ、債券や現金の比率を徐々に高める
  • 退職後:現金や債券などの安全資産を多めに持ち、暴落時の生活費を確保する

市場の変動に合わせてリバランス(資産比率の再調整)を行うことで、致命的な損失を防ぐことができます。

完全リタイアではなく「働ける環境」を残しておく

FIREを成功させる最後の鍵は、いつでも働ける状態を維持しておくことです。

資産が計画どおりに増えなかった場合でも、収入を得る手段が残っていれば立て直しが利くからです。

逆に完全に社会から離れてしまうと、年齢とブランクの壁によって再就職が難しくなる可能性が高まります。

週に数日だけ働く、業務委託で関わり続ける、資格を維持しておくといった方法なら、自由と安全性を両立できるでしょう。

勤務先の社会保険に加入できる働き方を選べば、保険料の負担を軽くできる場合もあります。

働かない自由ではなく、働ける自由を残しておく発想がFIREを長続きさせます。

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FIREに関するよくある質問

ここでは、FIREに関してよく寄せられる代表的な質問に、分かりやすくお答えします。

FIREにはいくら必要ですか?

必要な金額は、一人ひとりの希望する生活水準によってまったく異なりますが、目安として年間支出の25倍とされています。

資産を年利4%で運用しながら取り崩すことで、理論上は元本を減らさずに生活できる計算になるためです。

具体例
  • 月15万円(年間180万円)で生活する場合:約4,500万円
  • 月25万円(年間300万円)で生活する場合:約7,500万円
  • 月40万円(年間480万円)で生活する場合:約1億2,000万円

60歳で2億円あればリタイアできますか?

60歳で2億円の資産があれば、極めて安全かつ余裕を持ってリタイアすることが可能と言えます。

平均的な生活費であれば、資産運用を一切せずに現金を取り崩すだけでも寿命まで十分に逃げ切れるからです。

  • 毎月50万円(年間600万円)という少し贅沢な生活をしたとする
  • 60歳から90歳までの30年間で必要な資金は、600万円 × 30年 = 1億8,000万円
  • 年金収入も加算されるため、資産はさらに長持ちする

特別な無駄遣いをしない限り、経済的な不安を抱えることなく安心して豊かな老後を楽しむことができるでしょう。

FIRE後も年金は受け取れますか?

仕事を辞めて早期退職した場合でも、将来的に公的年金を受け取ることは可能です。

日本に住む20歳以上60歳未満の人は国民年金への加入が義務付けられており、要件を満たせば受給権が発生するからです。

ただし、会社員時代と比べて以下の点に注意する必要があります。

  • 厚生年金から外れるため、国民年金保険料を自分で納付しなければならない
  • 納付期間が短い場合や未納がある場合、将来受け取れる年金額が減少する
  • 会社員と比べて厚生年金の加入期間が短くなるため、受給額は現役を続けた場合より少なくなる

もし保険料の支払いが厳しい場合は、免除や猶予の制度を活用することもできますが、将来の受給額に影響します。

FIRE・事業承継は日本プロ経営者協会にご相談ください

経営者としてFIREや早期リタイアを検討する際、避けて通れないのが自社の後継者問題と事業承継です。

将来への不安を感じながらも、誰に事業を託すべきか悩んでおられる経営者の方は少なくありません。

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日本プロ経営者協会の概要
名称一般社団法人日本プロ経営者協会
設立日2019年7月
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代表理事堀江 大介
所在地東京都千代田区丸の内1-6-2
新丸の内センタービルディング21階
URLhttps://www.proceo.jp/

まとめ

FIREを目指す際は、高い資金ハードルや相場の下落リスク、想定外の支出といった懸念点を正しく理解し、リスクを抑えた現実的な戦略で資産と収入源を育てていくことが大切です。

今回紹介した失敗ケースや対策を参考に、利回りを控えめに見積もった保守的な資金計画を立て、サイドFIREなど自分に合った無理のないスタイルを見つけましょう。

この記事を書いた人

小野俊法のアバター 小野俊法 日本プロ経営者協会 会長

慶應義塾大学経済学部卒業後、不動産ファンド運用会社にて約400億円規模の資産運用を担当。独立後、海外でファンドマネジメント事業などを立ち上げ、事業売却を経験。

その後、M&Aアドバイザリーおよびバイアウトファンドでの投資業務に従事し、中小企業投資・事業承継に延べ16年以上関与。これらの経験をもとにマラトンキャピタルパートナーズ㈱を設立し、事業承継支援に取り組んでいる。

投資の現場経験、M&Aアドバイザーや経営者との関わりをもとに、後継者問題や経営課題に関する情報発信・監修を行っている。

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